「あつ森」マイデザイン 〈ふゆきなこそで〉を公開!
木々や地面を覆っていた厚い雪が解け、一気に季節が進んだ気がします。ふと見ると、タンポポが咲いていて春の訪れが強く感じられるようになりました。
北半球にお住まいの方は、あと2週間ほどで桜が咲きますね。
そうです。もうおわかりの方もたくさんいらっしゃると思います。
Nintendo Switch『あつまれ どうぶつの森』の話です。
発売から間もなく1年となる大人気ゲームですが、まずタイトルがいいですね。
「あつまりましょう」という提案すら、してよいのだろうか、とウジウジと考え込んでしまう昨今にあって、「あつまれ」という命令形はなんだか心地よく響きます。
さて、ぶんかつブログでは以前、文化財のデータベース「ColBase」を利用した日本・東洋美術の楽しみ方として、「ColBaseで「あつ森」を楽しもう!」という記事をご紹介しました。
▷関連ブログ「ColBaseで「あつ森」を楽しもう!」の記事を読む
このたび文化財活用センター〈ぶんかつ〉では、そこから発展して、『あつまれ どうぶつの森』内でマイデザイン「ふゆきなこそで」を公開しました。
〈ぶんかつ〉が東京国立博物館(トーハク)と共同で行なっている「〈冬木小袖〉修理プロジェクト」をより多くの方に知っていただくための取り組みのひとつです。
「ふゆきなこそで」のモチーフとなったのは、現在、みなさまからの寄附による文化財修理プロジェクトが進行中の重要文化財「小袖 白綾地秋草模様(こそで しろあやじあきくさもよう)」。
江戸時代に活躍した絵師・尾形光琳が、江戸・深川の材木問屋、冬木家の夫人のために、絹地に直接描絵を施したきもので、〈冬木小袖〉と呼ばれ親しまれています。
重要文化財 小袖 白綾地秋草模様 尾形光琳筆 江戸時代・18世紀前半 東京国立博物館
原品の繊細な模様をどのようにマイデザインのドット絵で表現するかは少々難しい課題でしたが、白い絹地に光琳が伸びやかに描いた桔梗や菊、萩などの秋草をイメージしながら、華やかながらもかわいらしいきものが出来上がりました。
「ふゆきなこそで いまふう」(作品ID:MO-KLGP-N1S7-9XNC)
帯は後ろ結びです。
また、今回は〈冬木小袖〉と同じ江戸時代に描かれた浮世絵などを参考に、帯を前結びにして当時の女性の着方を再現した「ふゆきなこそで えどふう」もあわせて公開。
当時も羨望の的となったであろう、一品ものの特注品〈冬木小袖〉を身にまとった冬木家の夫人の気分を体験できる(?)かもしれません。
「ふゆきなこそで えどふう」(作品ID:MO-FSPN-MPFL-62BX)
帯は前結び。
『あつまれ どうぶつの森』の中には、風神雷神の屏風、浮世絵、土偶などトーハクにゆかりの深い美術品も登場しますね。
屏風など普段ミュージアムでは展示ケース越しにしか見られない「文化財」を、日常の生活に気軽に取り入れることができるのも、このゲームの魅力のひとつであるように思います。
ぜひ「ふゆきなこそで」も、「普段着」としてお楽しみください。
自宅に風神雷神図屏風…ではなく「あらぶるめいが」を飾って贅沢なお茶会
自宅の中に浮世絵やきものを飾ってトーハクの展示室を再現。これが「おうちミュージアム」!?
お気に入りの写真が撮れたら「#ふゆきなこそで」でシェアしてくださいね!
「〈冬木小袖〉修理プロジェクト」では、活動を通してひとりでも多くの方と一緒に、この美しいきものを未来に伝えることを目指しています。 様々な形での支援を承っていますので、ご興味をお持ちの方はぶんかつウェブページもぜひご覧ください。
- posted by
- at
- 2021年03月16日 (火)