2018年7月、独立行政法人国立文化財機構に設置された文化財活用センター〈ぶんかつ〉は、2023年に発足から5年を迎えました。

人類のたからものである文化財を1000年先、2000年先に伝えることは、「いま」を生きる私たちに課された重要な使命です。〈ぶんかつ〉は、発足以来、文化財の保存と活用の両立に留意しながら、多くの人に文化財を通して豊かな体験と学びを得る機会を提供することを目指して、さまざまな活動を行なってきました。

6年目の一歩を踏み出した現在は、我々の使命でもある文化財の「保存」と「活用」を軸に、企画、貸与促進、保存、デジタル資源、そしてファンドレイジングの5つの分野で、多岐にわたる活動を行なっています。一歩一歩、活動の幅を広げながら、地域のミュージアムや、さまざまな企業・団体との連携を進めています。

現代社会では、国籍、文化的背景、年齢、性別を問わず、あらゆる文化財にあらゆる人が共通にアクセスし、親しむことのできる機会や場の創出が世界的に求められています。〈ぶんかつ〉は、文化財活用のナショナルセンターとして、これまでの実績を生かしつつ、さらに広い層のニーズに応えるべく、より包摂的な事業を展開していきたいと考えています。

今後も多くの方々に、一層魅力的なかたちで文化財を楽しんでいただけるよう、さらなる努力を続けてまいります。

文化財活用センター長
大美 慶昌