あなたのもとに国宝が!?文化財複製のお貸し出し
東京国立博物館(トーハク)所蔵の有名な屏風をイベントに使いたいけどさすがにムリだろうなあ…
と、迷っているみなさん!
文化財活用センター〈ぶんかつ〉企画担当では、トーハク所蔵品をはじめとする文化財の複製を制作し、有料で一般にお貸し出ししています。
そもそも、日本の伝統的な材質と技法で作られたホンモノの作品は、温度や湿度、照明などの影響を受けやすいため、こうした環境が適切に管理できるミュージアムでなければお貸しすることができません。 また、優れた文化財を後世に伝えるためにも、年間を通じて作品を展示できる日数には制限があります。
「複製」と聞くと安っぽいイメージがあるかもしれませんが、〈ぶんかつ〉の複製は最新の技術を用いた高精細複製なので、その精度は侮れません。例えば、キヤノン株式会社との共同研究の一環として制作を進めている複製屏風は、新たに撮影した超高画質な画像を専用の和紙にプリントしています。さらに、金地の屏風の場合は、伝統工芸士の職人さんが一枚ずつ手作業で金箔を貼り、実際の屏風と同じように仕立て上げています。
洛中洛外図屏風(舟木本)複製 6曲1双 和紙に印刷・金箔貼付 2018年制作(キヤノン株式会社との共同研究)
よほど近づいて見ない限り、その違いは区別できないと思います。展示ケース内にホンモノの屏風と複製屏風を入れて並べれば、見分けはつかないでしょう。
舟木本に描かれている、門前でお茶を買う人たち。入念な色合わせにより、色味も違和感はありません。金箔も自然な仕上がりです。
こうした高精細の複製屏風を、例えばお店のディスプレイ、会議室やホールの調度品、映像製作の小物など、さまざまな機会にご利用いただけるのです。また、ウェディングフォトなどの各種記念フォトのオプション利用もおすすめです。日ごろ、身近にない金屏風があれば、特別感の演出にはもってこいです。
海外のお客さまを招く国際会議に、京都の街並みを描いた国宝「洛中洛外図屏風(舟木本)」(岩佐又兵衛筆)の複製はいかがでしょう。きっと日本文化に関心を持ってもらえるきっかけになると思います。
トーハクの会議室で使用したときの様子です
〈ぶんかつ〉での活用事例をご紹介します。応接室の打ち合わせスペース前に、重要文化財「風神雷神図屏風」(裏側は夏秋草図屏風)の複製を設置しています。お客さまには驚かれながらもご好評いただいています。
表には尾形光琳筆「風神雷神図」の複製、裏には酒井抱一筆「夏秋草図」の複製。現在、ホンモノは保存上の理由により別々に仕立て直されていますが、本来はこのように両面に描かれていました。
ディスプレイとして、あるいはホールでお客さまをお迎えする場所で、照明を当ててみると、ひときわ強い存在感を放ちます。
丸ビルホールで行なわれたシンポジウムにお貸ししたときの会場風景
もちろん、ミュージアムからのご依頼も大歓迎です。ホンモノなら、展示ケース越しでご覧いただくしかない屏風も、制作当時のように畳に座って間近で楽しむことができます。
▷高精細複製品によるあたらしい屏風体験「国宝 松林図屏風」(2019年1~2月、東京国立博物館にて開催)の詳細を見る
国宝「松林図屏風」(長谷川等伯筆)は、全国から貸し出しの依頼も多く、所蔵館であるトーハクでも年に1度、展示できるかどうかという作品です。展示期間に制限なく、ケースの外で展示できるのは複製ならでは。
なお、トーハクで展示した際は、「松林図屏風」の世界観をアニメーションで表現しました。プロジェクターを用いて複製屏風に映像を投影することで、絵画のなかに没入するような鑑賞体験をお楽しみいただきました。
松林図の世界に、鳥が飛んできたり、朝から夜へと時間が進んでいったり、雪が降ったり…。さまざまな仕掛けが。
こちらの映像もお貸し出しできますので、ご相談ください。
現在、〈ぶんかつ〉でお貸し出し可能な文化財複製のラインナップはウェブサイトからご覧いただけます。今後も続々と追加予定ですのでご期待ください。
ご利用になりたい場合は、下記のご案内をお読みいただき、ぜひ〈ぶんかつ〉企画担当までご相談ください。
お問い合わせをお待ちしております。
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- 2019年11月27日 (水)