オンラインで楽しむ~Web版「国宝 聖徳太子絵伝」
日本人であれば、その名を知らない人はおそらくほとんどいないであろう「聖徳太子」。
皆さんは、「聖徳太子」と聞くと、どんな人物像、どんなエピソードを思い浮かべますか?
(ちょっと古くて恐縮ですが)かつて1万円札の顔であった笏(しゃく)を持つ姿や、山岸 凉子さんの人気漫画『日出処の天子』の主人公の姿など、どちらかというと聡明でクールな人物像でしょうか?あるいは、「十七条の憲法」の制定という政治家としての敏腕ぶり、空を飛んだり何十人もの話を同時に記憶したりといった超人ぶりでしょうか?
本ブログでは、そんな聖徳太子にまつわる伝説を、文字ではなくビジュアル的に楽しみたいという方にぴったりなアプリ「デジタルアートビューア 国宝 聖徳太子絵伝~太子の生涯と超人伝説~」をご紹介いたします。
▷▷「デジタルアートビューア 国宝 聖徳太子絵伝~太子の生涯と超人伝説~」に飛ぶ
このアプリは、2018年から2025年まで東京国立博物館法隆寺宝物館で公開し、好評を博してきた体験型展示「8Kで文化財 国宝 聖徳太子絵伝」(詳しくは初回公開時のブログを参照)を改修したもので、2026年1月より新たにウェブ版デジタルコンテンツとしてオンラインで無料公開を開始したばかり。
▷初回公開時ブログ「8Kなら会える!微笑みの聖徳太子に」を読む
ウェブ版への改修に際して、日本語・英語・中国語・韓国語の4か国語対応も可能になり、いつでも、世界のどこからでも、この国宝の「聖徳太子絵伝」を高精細画像と解説付きでお楽しみいただけるようになりました。

トップ画面に現れる国宝「聖徳太子絵伝」(全10面)は、延久元年(1069)に、摂津(せっつ)の絵師・秦致貞(はたのちてい)によって描かれた作品。10世紀初頭の聖徳太子の伝記『聖徳太子伝暦(しょうとくたいしでんりゃく)』に基づく事蹟(エピソード)を絵画化した説話画で、かつては奈良・法隆寺の絵殿の内壁を飾っていた障子絵(しょうじえ)でした。普段は、保存上の理由から10面を一度に鑑賞できる機会は極めて少なく、展示されたとしても1~数面、作品保護のため照度を落とした薄暗い展示室では細部をつぶさに見ることもかないません。しかしこのアプリなら自由自在かつ簡単に、場面を行ったり来たりしながら超高画質でじっくりと作品鑑賞が可能です。
それでは早速一緒に見ていきましょう。
とはいえ、10面もあると、どこから見たらよいか迷ってしまいますよね。そんな時ははまず、トップ画面の「早わかり!超人伝説12選」画面で気になるエピソードを選んでみてください。

例えば、超有名な「十七条の憲法制定」の場面なら「日本初の憲法制定」をクリック。
一瞬で(※)該当する場面の画像と画面の番号、作品の見どころポイントなどが表示されます。
※それぞれの通信環境により異なります。

「十七条の憲法制定」の場面
右の画像ウィンドウの中に表示される番号(ここでは④)を押し、さらに画面をズームアウトして全体表示すると描かれている位置の確認ができるので、実作品を鑑賞する際のガイドとしてもお使いいただけるはず。たとえば「憲法制定」の場面(④)は、第6面(左面)中央よりやや右上ですね。

第6面に描かれた憲法制定の場面の位置(画像右手が第5面、左手が第6面)
さらに端末内でその場面に近づいて最大限までズームインすると、そこには筆を手に、憲法をしたためんとする33歳の太子の姿が見えてきます。

十七条の憲法を書きとめる33歳の聖徳太子
同様に、「大人数の話を同時に聞き分けた」という太子の超人エピソードなら「早わかり!」一覧から「太子11歳 驚異の記憶力」をポチッとすれば子供たちに囲まれて話を聞く太子の姿が。

複数の子供たちの話を同時に聞き分ける11歳の聖徳太子
こちらも拡大して近寄ってみると…

微笑みを浮かべた表情の11歳の聖徳太子
幼き聖徳太子が優しく微笑む表情や、身に着けた衣の青色まではっきりと見ることができるのです。
超高画質表示なのに、その移動も表示までの時間も極めて短いことにもお気づきいただけたでしょうか?
実は、会場で「8Kで文化財 国宝 聖徳太子絵伝」のコンテンツで使用していた画像は、1面およそ縦1.9m×横1.5mの本作品を、計28区画に分割して撮影したデータをもとに、画像をつなぎ合わせて1面で18億画素の超高精細データに構築したもの。
一方、今回のアプリでは、このレベルの画像を鮮明なままスピーディーに表示してご覧いただくために、特別な工夫をしているからなのです。それはIIIF(International Image Interoperability Framework)に準拠したマルチ解像度タイル化という方法です。
▷IIIFについて説明したぶんかつブログ「e国宝が「IIIF (トリプルアイエフ)」に対応しました 」を読む
画像を細かく分割し、表示倍率に応じて必要な部分だけを読み込むことで、ご家庭のPCやスマートフォンでも、滑らかな操作性と高精細表示を両立させました。
「重くて動かない」体験を避けたい──そうした思いから制作チームと、細部の調整を重ねました。
このほかにも合計60ほどの場面がちりばめられていますので、ご家族と一緒に画面を囲んだり、授業や調べ学習で使ったり、あるいは展示室でご自身のスマホを片手に、実作品と見比べてみたり…。
時と場所を選ばず利用いただけるこのアプリを、世界中の多くの皆様にご活用いただければうれしく思います。
デジタルアートビューア 国宝 聖徳太子絵伝~太子の生涯と超人伝説~
https://edu-cpcp.nich.go.jp/eden/ja/index.html
ご利用にあたって、下記の【推奨環境】をご確認ください。
・インターネットに接続されている端末であること
・10インチ以上の画面サイズ
・1366×768ピクセル以上で横表示ができること
・タッチパネルもしくはマウスポインティングデバイスが使えること
・すべてのOS・ブラウザ・デバイスで動作を保証するものではありません。あらかじめご了承ください。
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- 2026年02月24日 (火)