今年で見納め!法隆寺金堂壁画コンテンツ
今年も残すところ一か月ちょっととなりましたが、皆さまいかがおすごしでしょうか。年末を節目に、心機一転、新年を迎えるという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
実は、2023年1月から法隆寺宝物館中2階で公開してきた体験型展示スペース「デジタル法隆寺宝物館」も12月21日(日)でひと段落、リニューアルの準備に入ります。
「デジタル法隆寺宝物館」は、法隆寺ゆかりの文化財をテーマとして、文化財活用センター〈ぶんかつ〉が制作した「8Kで文化財 国宝 聖徳太子絵伝」や復元模造、またぶんかつが制作協力として携わった「法隆寺金堂壁画写真ガラス原板デジタルビューア」をご覧いただける体験型展示スペースとして、2023年にオープンしました。オープン以来約2年に渡り、原品の高精細スキャニングデータを用いて制作されたグラフィックパネルと、大型8Kモニターでインタラクティブに体験ができる「国宝 聖徳太子絵伝」および「法隆寺金堂壁画」、伎楽に用いられた仮面と装束の復元模造展示を展開し、国内外のお客さまに楽しんでいただいております。
▷デジタル法隆寺宝物館 開催概要を見る
▷▷デジタル法隆寺宝物館について(東京国立博物館内のページ)
今回のリニューアルではコンテンツが一新される予定(絶賛開発中!)のため、現在の「デジタル法隆寺宝物館」は年内で見納めとなるのです。この機会にいまいちど「法隆寺金堂壁画」コンテンツと伎楽面と伎楽装束の復元模造の見どころを紹介しましょう。
体験型デジタルコンテンツ 重要文化財「法隆寺金堂壁画写真ガラス原板」
法隆寺金堂壁画は、アジアを代表する壁画として高く評価されながらも、1949年1月、火災により失われてしまいました。幸いにも、1935年に美術印刷会社便利堂が撮影した写真ガラス原板が残っており、焼損前の壁画の姿を知ることができます。
展示室では、ガラス原板のデジタルビューアとグラフィックパネルで金堂壁画を紹介しています。デジタルビューアは、オンラインでも見ることができますが、展示室では75インチの大画面で、しかも8Kモニターでご覧いただけます。グラフィックパネルは、金堂内を再現して配置されており、かつて壁画があった金堂にいる感覚を体験できます。コンテンツの原品である写真ガラス原板は、歴史的学術的価値が評価され、2015年重要文化財に指定されました。
▷▷法隆寺金堂壁画写真ガラス原板 デジタルビューアをみる

デジタルビューアとグラフィックパネルを見比べてみることもできます。
伎楽関連資料の復元模造展示
法隆寺宝物館には伎楽面、伎楽装束も収蔵されています。
伎楽面は、法隆寺献納宝物(東京国立博物館蔵)の31面のほか正倉院や東大寺に伝わります。現存するほとんどが奈良時代のものであるため、東博に所蔵される飛鳥時代に製作された伎楽面は、現存最古の遺品として知られています。こちらのスペースでは現在、厳密な考証に基づいて素材や技法を復元した飛鳥時代の伎楽面「迦楼羅(かるら)」と伎楽装束袍(ほう)の復元模造が展示されており、いにしえの華やかな姿をご覧いただけます。原品である伎楽面は2025年国宝に指定されました。
▷▷伎楽面の展示について(東京国立博物館内のページ) ※原品の展示公開は金・土曜日のみ

幻の芸能と呼ばれる伎楽。色鮮やかな仮面と装束を身に着けた演者はどのような舞踏をしたのでしょう。
木枯らしに落ち葉舞う上野公園を散策しがてらお立ち寄りください。今年の博物館納めはぜひデジタル法隆寺宝物館で!

11月現在、本館前のユリノキも美しく色づいています。
デジタル法隆寺宝物館
会期 2025年12月21日(日)まで
会場 東京国立博物館 法隆寺宝物館 中2階
開館時間 午前9時30分~午後5時
※毎週金・土曜日、および、翌月曜日が祝・休日の場合の日曜日は~午後8時まで ※入館は閉館の30分前まで
休館日 毎週月曜日(ただし月曜日が祝日または休日の場合は開館し、翌平日に休館)、12月16日(火)、年末年始(12月22日~2026年1月1日12時59分まで)
観覧料 一般1,000円、大学生500円、高校生以下無料
※東博コレクション展観覧料または開催中の特別展観覧料(観覧当日に限る)でご覧いただけます。
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- 2025年11月20日 (木)