ぶんかつブログ

ColBaseを活用しよう!企業での画像利用編

文化財活用センター〈ぶんかつ〉が運営する「ColBase(コルベース/国立文化財機構所蔵品統合検索データベース)」[https://colbase.nich.go.jp/] に掲載されている文化財の画像をたくさんの方にご利用いただくべく、デジタル資源担当が連載する「ColBaseを活用しよう!」シリーズ。
ColBaseの利活用の促進を目的とした全6回の連載の第3回目です。
前回は、ミュージアムや学校でのColBaseの画像の利用事例をご紹介しました。

最近では、企業の方からも「ColBaseに掲載されている文化財の画像を使いたい」とお問い合わせをいただくことが増えています。
実は、ColBaseの文化財の画像は、商品など商用目的のものにもご利用いただくことが可能です。
そこで今回は、企業でのColBaseの画像の利用方法を、架空の企業を例に挙げてご紹介したいと思います。

それでは、具体例を見ていきましょう。

◆商品やパッケージ・デザインに利用する
A社:お菓子メーカー
用途:新商品のお菓子のパッケージに、文化財のテキスタイル(染織品)の柄を利用したい。


画像生成AIで出力したお菓子箱の画像に「彦根更紗」の画像を貼り付けて加工したイメージです。
実際には販売しておりません。

・検索のコツ
文化財をよく知らないという方でも、形状や技法、内容(モチーフ)などで検索すると、いろいろな文化財を探すことができます。

形状で検索…「小袖」(江戸時代の着物)、「陣羽織」(主に戦国武将が着用した羽織)、「埴輪」など。
技法で検索…「更紗」(木綿をカラフルに染めた布)、「紅型」(琉球の染め物)、「刺繍」など。
内容で検索…「山水」、「花」、「龍」など。

商品のパッケージに使いたい文化財の画像が見つかったら、ダウンロード項目の「作品画像一式」をクリックし、ダウンロードします。


「作品画像一式」ボタンから一括でダウンロードいただけます。

▷ColBaseで「古渡更紗裂 彦根更紗」を見る

ダウンロードした画像でパッケージを作成します。


たとえばこのように、パッケージ側面などに出典を明記してください。
画像生成AIで出力したお菓子箱の画像に「彦根更紗」の画像を貼り付けて加工したイメージです。

こちらはColBaseの画像を加工・編集したものなので、出典の記載例は、
・出典:国立文化財機構所蔵品統合検索システム(https://colbase.nich.go.jp/collection_items/tnm/TI-392)を加工
・ColBase( https://colbase.nich.go.jp/)を編集して作成
・Created based on the information available on ColBase (https://colbase.nich.go.jp/collection_items/tnm/TI-392)
などとなります。

スペースに余裕がないなどの場合は、当該ページのURL(個々の作品のURL)までは書かなくても構いませんが、「ColBase」と記載する場合はトップページのURL(http://colbase.nich.go.jp/)を含めてください。
URLの記載ができない場合は、可能なかぎり日本語の名称である「国立文化財機構所蔵品統合検索システム」を書いてください。それでも難しい場合は「ColBase」のみでも可能です。

また、商品やパッケージに出典を記載するのが一般的ですが、
スペースの都合上、出典の記載が難しい場合は、中に出典を記載した紙を同封するなどでも差し支えありません。

◆テレビ・インターネット番組で利用する
B社:放送局
用途:バラエティ番組で江戸時代の花火の画像を利用したい。


画像生成AIで出力したテレビの画像に「名所江戸百景・両国花火」「東都名所・両国の涼」の画像を貼り付けて加工したイメージです。

江戸時代の花火が描かれた絵画を使いたい場合、「花火」「江戸時代」などで検索します。


フリーワード欄に「花火」、時代世紀欄に「江戸時代」などと入力し、検索ボタン(虫眼鏡マーク)をクリック。

検索結果はこちら。


2023年7月時点の検索結果です。花火だけでもいろいろな浮世絵がありますね。

「花火」を描いた浮世絵をダウンロードして、番組の画面を作成します。


たとえばこのように、使用する画像の出典を明記します。

▷ColBaseで「名所江戸百景・両国花火」を見る
▷ColBaseで「東都名所・両国の涼」を見る

画像と一緒に出典を表示するのが一般的ですが、
出典を同時に表示するのが難しい場合は、エンドロールに出典を表記しても差し支えありません。
また、画面の制約上URLを記載するのが難しい場合は、ColBaseの日本語名称「国立文化財機構統合検索システム」を記載してください。

◆書籍制作に利用したい
C社:出版社
用途:仏像を解説する書籍に「十一面観音菩薩立像」の画像を掲載したい。


画像生成AIで出力した本の画像に「十一面観音菩薩立像」の画像を貼り付けて加工したイメージです。

「十一面観音菩薩立像」の画像をダウンロードし、出典とともにレイアウトして印刷します。


たとえばこのように、使用する画像の出典を明記します

▷ColBaseで「十一面観音菩薩立像」を見る

画像と同じページに出典を記載するのが一般的ですが、
出典の記載が難しい場合は、最後のページなどに出典をまとめて記載しても差し支えありません。

また、最近では、このようにQRコードでColBaseの当該作品のURLを掲載する例も増えてきました。
本を読みながら、スマホやタブレットで作品の情報に簡単にアクセスできて便利ですね。

◆さいごに
さまざまな場面でのColBaseの画像の使い方をご紹介しました。
たとえ商用利用でも、非商用利用と同様に、難しいルールや煩雑な手続きは必要なく、
商品を購入した方、番組を見た方に、その画像がColBaseに掲載されている画像だとわかるように出典を記載していただければ大丈夫です。

ColBaseの画像を利用する基本的なルールや、よくある質問については、
「ColBaseを活用しよう!」シリーズ第1回の記事に詳しく書いておりますのであわせてお読みください。

▷関連ブログ「ColBaseを活用しよう!ColBaseの画像利用について 」の記事を読む

ColBaseに掲載されている文化財の画像を使って魅力的な商品・番組をどんどん世に送り出してくださったら、とても嬉しく思います。

次回、「ColBaseを活用しよう!」シリーズ第4回目は、実際にColBaseを使ってミュージアムグッズを制作された方へのインタビューをお届けする予定です。どうぞお楽しみに!

ColBaseに掲載している情報は正確さを心がけておりますが、誤りがある場合があります。 もし間違いを発見された場合は、下記のお問い合わせフォームからご連絡をお願いいたします。
▷お問い合わせフォーム(デジタル資源担当)

▷関連ブログ「ColBaseを活用しよう!ミュージアム・学校編」の記事を読む

カテゴリ: 文化財の情報