ぶんかつブログ

ColBaseを活用しよう!ミュージアム・学校編

先月のブログでは「ColBaseを活用しよう!」シリーズ全6回の第1弾として、文化財活用センター〈ぶんかつ〉が運営する「ColBase(コルベース/国立文化財機構所蔵品統合検索データベース)」[https://colbase.nich.go.jp/] に掲載されている画像を利用する上で大切な、出典の書き方などを中心にお伝えしました。
今回、第2弾は、ミュージアムや学校で実際にご利用いただいている事例をご紹介したいと思います。

◆ミュージアムでの利用例
東京国立博物館(トーハク)をはじめ、国立文化財機構に所属する国立博物館や研究所では、各施設で定めた規則に従って他館へ所蔵品をお貸し出ししています。
お住まいの近くのミュージアムの特別展や企画展で、国立文化財機構の施設の所蔵品が展示されているのを見たことがある方もいらっしゃると思います。

特別展や企画展の広報用チラシやWebページには、トーハク等からお貸し出ししている所蔵品が掲載されることもあり、ColBaseの画像は、こうした広報物にもお使いいただけます。
では、実際にColBaseの画像をご利用いただいた過去の展覧会チラシの例を見てみましょう。

〈ぶんかつ〉が作品輸送費等を支出し、4つの国立博物館が所蔵品を貸し出す「国立博物館収蔵品貸与促進事業」により、2022年秋に安土城考古博物館で開催された「里帰り!日本最大の銅鐸―太古の響きを安土の地で―」は、トーハクから考古資料6件をお貸し出ししました。
そのなかでも、滋賀県に里帰りした日本最大の銅鐸を紹介するために「突線鈕5式銅鐸」の画像がチラシの裏面で使われています。


突線鈕5式銅鐸の画像が使われています
出典:安土城考古博物館「里帰り!日本最大の銅鐸―太古の響きを安土の地で―」チラシ(裏面)

▷ColBaseでJ-826「突線鈕5式銅鐸」を見る
▷里帰り!日本最大の銅鐸―太古の響きを安土の地で― 開催概要を見る

トーハクなどから所蔵品の貸し出しを受けていないとColBaseの画像は使えない…?
いえいえ、そんなことはありません。

「うちのミュージアムの所蔵品とトーハクの所蔵品、似ているから参考として使いたいなぁ」
「うちのミュージアムの所蔵品との比較として画像を使いたいなぁ」
このようなときにも活躍するのがColBase!
出典を明記いただければ、もちろん誰でも利用できます。(商用利用も可能です)

例えば、狭山市立博物館で2023年1月~2月末に開催された企画展「拓くひとびと―狭山の奈良・平安―」の図録内で、ColBaseに掲載されている瓦塔や蓋鋺の画像が参考画像として使われています。


瓦塔の画像が使われています
出典:狭山市立博物館「拓くひとびと―狭山の奈良・平安―」図録(8ページ)


蓋鋺の画像が使われています
出典:狭山市立博物館「拓くひとびと―狭山の奈良・平安―」図録(42ページ)

狭山市立博物館 企画展ページを見る [https://sayama-city-museum.com/exhibition/3448/]
▷ColBaseでJ-25396「瓦塔」を見る
▷ColBaseでN-260「蓋鋺」を見る

今回ご紹介した事例以外にも、さまざまなミュージアムでご利用いただいており、チラシや図録のほかに、展示室内での比較・参考用の図版、グッズなどにもご活用いただいております。

また、地域の広報誌で、その地域の歴史を紹介する際に利用したいというお声もお聞きしています。
ぜひ、ミュージアム以外でもご利用ください。

◆学校での利用例
ミュージアム以外では、「ColBaseを学校で利用したいのですが…」といったお問い合わせもいただくことがあります。 お話を伺っていると、小中学校の図工・美術や社会の授業で検索したり、調べ学習の結果としてレポートにまとめたりする際に画像をお使いいただいているようです。
このほかにも、大学等の先生が準備する講義資料や、学生による課題レポート作成の際に画像を利用しているとの声もお聞きしています。

◆出典の記載に関するお願い ―編集・加工等の記載―
さて、さまざまな形でご利用いただけるColBaseの画像ですが、前回のブログでもお伝えしているように利用する際は出典の記載が必要です。いつもご協力いただきありがとうございます。

また、編集・加工して利用する場合はその旨も表示することになっていますが、「どこからが〈編集・加工〉にあたりますか?」というご質問をよくいただきます。

たとえば…、


よくある「背景の削除」の例

このようにColBaseに掲載されている画像の背景を削除して利用する方が多いですが、こちらは加工にあたります。

また、以下のようにColBaseの画像の一部を拡大・トリミングする場合も、加工にあたります。


よくある「画像の拡大・トリミング」の例

▷ColBaseでJ-838「馬形埴輪」を見る
▷ColBaseでJ-36889「猪形埴輪」を見る

このほかにも、色味の調整や、余白の切り取りなども、編集・加工と見なされます。ColBaseに掲載されている画像を何も編集せずに利用する場合以外は、すべて編集・加工にあたります。

そのため、出典には
「国立文化財機構所蔵品統合検索システム」(当該ページのURL)を加工して作成
「ColBase」(当該ページのURL)をもとに○○作成
などと編集・加工したことがわかるように書いていただくことをお願いしております。

出典を記載する際に、つい忘れがちな〈編集・加工〉の記載。
ご利用いただく際には、忘れずにお書きいただけると嬉しいです。

~プチ裏話~
ColBaseに掲載されている画像を利用する際は、ぶんかつ等への申請は不要なため、私たちスタッフもどこでどのように利用されているか全てを把握しているわけではありません。
たまたま発見したり、「使ったよ」とお声がけいただいたり、SNSを見て知ったりと、発見しては毎回スタッフ一同喜んでいます。日々、大量の画像のトリミングや掲載作業をしているスタッフが報われる瞬間でもあります。

次回、シリーズ第3弾は、企業等での利用についてお届けする予定です。どうぞお楽しみに。

ColBaseに掲載している情報は、正確さを心がけておりますが、誤りがある場合があります。
もし間違いを発見された場合は、下記のお問い合わせフォームからご連絡をお願いいたします。
▷お問い合わせフォーム(デジタル資源担当)

▷関連ブログ「ColBaseを活用しよう!ColBaseの画像利用について 」の記事を読む

カテゴリ: 文化財の情報