ぶんかつブログ

もうひとつのトーハク!バーチャル特別展を開催中!

東京国立博物館(トーハク)では、2020年12月19日から特別展を開催中です。
ん?何かやっていたっけ?とお思いの方、正解です。この特別展の会場は、上野公園のトーハクではありません。バーチャル空間にトーハクを再現し、そこでバーチャル特別展「アノニマス -逸名の名画-」を開催しているのです!

この特別展は、トーハクととても縁の深い、細田守監督のアニメーション映画「時をかける少女」とのコラボです!すでに遊びに来てくださった方はもちろん、このことを初めて知った方のためにも、バーチャルトーハクができるまでの舞台裏、楽しみ方、そしてバーチャル特別展の見どころをご紹介します。


バーチャル空間の中のトーハク本館。池や植栽のない姿、意外と新鮮かもしれません!

こちらがバーチャルトーハクです。バーチャルSNS「cluster(クラスター)」の中に、ワールドを作りました。「cluster」は、スマートフォンやPC、VR機器など様々な環境からバーチャル空間に集って遊べる、マルチプラットフォーム対応のバーチャルSNSです。

中に入ってみましょう。


トーハク本館エントランスの扉や壁の装飾を忠実に再現しています。「cluster」アプリをダウンロードして、アカウントを作ればすぐに遊べます。

本館の見どころ、大階段です。
大階段は、トーハクのシンボルの一つともいえる空間ですので、本当にその場にいるような感覚を持ってもらえるよう、細部にまでこだわって作りました。

では、その制作の舞台裏を少しご紹介します。

まず、建築図面をもとに3Dデータを作成しました。
その上に、現地で撮影した質感データを貼り付けることで、再現性を高めています。

特に再現に苦労したのが、大階段の床や壁を覆う大理石。
大理石の質感を感じていただくために、空間を歩くと、大理石に反射する光が変化する様子も再現しています。

バーチャルトーハクには、アバターでお入りいただきます。アバターは、「時をかける少女」略して「時かけ」とのコラボを記念して、映画のキャラクターと同じ、高校生の制服姿です。


本館入口の特製パネルと、記念撮影もできますよ。

そもそも、なぜ「時かけ」とトーハクがコラボしているのでしょうか。
実は、アニメーション映画「時をかける少女」の劇中には、ストーリーの鍵ともなる絵画が登場するのですが、その作品が展示されていた展覧会の会場がトーハクをモデルしたミュージアムなのです。しかし、ただ会場がトーハクにそっくりなだけではありません。その展覧会は、細田監督から依頼を受け、トーハクの松嶋雅人研究員が映画のために、企画・監修をしていたのです。


アニメーション映画「時をかける少女」より。特別展「アノニマス ー逸名の名画ー」を鑑賞する主人公

映画では、その一部しか映っていない架空の展覧会。現実には開催が難しいのですが、バーチャルなら可能ではないか。そこで実現したのが、バーチャル特別展「アノニマス -逸名の名画-」です。

それではバーチャル特別展「アノニマス -逸名の名画-」の会場をほんの少し、ご案内しましょう!

バーチャル特別展「アノニマス -逸名の名画-」の体験には、「cluster」コイン購入が必要です。

本館18室をモデルにした展示室は、やや暗めの空間にしました。作品ひとつひとつに照明を当てることで、より没入感が深まる仕様になっています。また、アバターの身長は170cm程に設定されていて、リアルなスケール感で作品を鑑賞できます。鑑賞方法もバーチャルならでは、なんですよ。

展示ケースに近づくと、作品とキャプションが拡大して現れ、作品名も大きく表示されます。ガラスの反射や展示ケースとの距離を気にせずに鑑賞できます。

もっと作品を大きく表示したいときは、
(1)画面右上の歯車マークをクリックし、三人称モードをオフに。

(2)画面右中央のカメラマークをクリックし、カメラモードを起動。

(3)ズームバーを+方向にスライドさせると、より拡大することができます!


実際の展示室では作品にここまで近づくことはできません・・・! 作品の詳細までよく見えます。

カメラモードを起動させた後に、画面右中央のカメラマークをクリックすると、自撮りモードに切り替わりますので、作品と一緒に記念撮影を楽しむこともできます。


誰にも邪魔されずに、作品とふたりきり!

アノニマスとは、「作者不明の」という意味。
日本美術には、作者不明の作品が多いのです。作者の名前は失われてしまったけれど、時を超えて、その作品を大切に守りつないできたからこそ、今私たちが目にすることができます。
「時かけ」では、少年がある絵を探し求めて時を超えて未来からやってきました。
このストーリーでは博物館がとても重要な役割を果たしています。

ご自宅で、気軽に、日本美術やトーハクを楽しむことのできるバーチャルトーハクもまた、博物館のたいせつな役割を体現するものかもしれません。

博物館に行ったことがないという方も、今なかなか博物館に行くことが難しい方も、「時かけ」ファンの方も、ぜひ一度体験してみませんか?

時をかける少女|東京国立博物館
バーチャル特別展「アノニマス -逸名の名画-」

日時:2020年12月19日(土)~ 2021年2月28日(日)

会場:バーチャルトーハク 特別展示室 (cluster内)

主催:東京国立博物館、文化財活用センター、凸版印刷株式会社

特別協力:スタジオ地図

料金:バーチャル特別展「アノニマス -逸名の名画-」 290円

*購入方法によって価格が変動します。詳細は、バーチャル特別展「アノニマス -逸名の名画-」公式サイトをご確認ください。
*本企画は文化庁「文化芸術収益力強化事業」の採択事業です。

▷公式サイトをみる

 

カテゴリ: 展示・イベント