ぶんかつブログ

「ふれる・まわせる名茶碗」を再公開します!

この夏に限定公開で実施した実証実験「8Kで文化財 ふれる・まわせる名茶碗」。
11月10日(火)から23日(月・祝)まで東京国立博物館(トーハク)にて再公開します!

東京国立博物館所蔵の「大井戸茶碗 有楽井戸」(重要美術品)は、かつて名だたる茶人が手にした名碗として知られています。もしもこの茶碗を手に取って鑑賞することができたなら…?
シャープ株式会社×トーハク×ぶんかつ の共同研究により、およそ1年もの制作期間を経て実現したプロジェクトです。
制作の様子については前回のブログ記事で詳しくご紹介しています。

▷ブログ「8Kで手に取る 戦国武将が愛したうつわ」の記事を読む

夏におこなった5日間の実証実験では、延べ163名の方にこのコンテンツを体験いただきました。


手元の茶碗型コントローラーと画面上の高精細3D画像が連動して動き、好きな角度から鑑賞できます。

体験者のみなさんには、実際に操作してみてどう感じたかをウェブアンケートで回答いただきました。集計結果を抜粋してご紹介します。

Q 体験は楽しかったですか?
A とても楽しかった・楽しかった 
96.5%

Q 「触る」という体験方法についてどう感じましたか?
A とてもよい・どちらかといえばよい 
98.3%

「視覚+触覚が新鮮でした」「展示室で視覚体験している時にはわからない、器としての機能や使い勝手などを想像できて面白かった」

非常に高い評価を得ることができました!視覚によって得られる情報に「触る」という行為が加わることで、多くの人の鑑賞体験に広がりをもたらしたことがわかります。人間の感覚っておもしろいですね。


コントローラーの操作で画像を拡大できたり、お茶碗の断面を比較できたりと、本物の文化財では絶対にみることのできないデジタルコンテンツならではの仕掛けも。

Q 思い通りに操作できましたか?
A すごくそう思う・そう思う 69.3%
どちらでもない 12.3%
そう思わない・全くそう思わない 18.4%

「操作の感覚を掴むまで時間がかかりました」「マークを中心に合わせるのがかなり難しかった」

ふむふむ。操作性にはまだ改善の余地がありそうです。こうした生の声は、よりよいコンテンツを制作する上でたいへん参考になります。

Q 「8Kで文化財」を体験することで、茶碗の見方に変化はありましたか?
A すごくそう思う・そう思う 89.5%

「釉薬の流れた景色に目がいくようになりました」「茶碗のどこに注目をして見るのか鑑賞ポイントがわかった」

これはうれしい結果です。また、「体験前後に実物の作品をご覧になりましたか?」という質問からは、多くの方が体験とあわせて展示室にも足を運んでくださったことがわかりました。

このほかにも貴重なご意見・ご感想を多く頂戴しました。アンケート内容は今後の企画・運営の参考にさせていただきます。ご協力くださったみなさま、ありがとうございました!

さて、ここまで実証実験の様子を振り返ってきましたが、最後にふたたび大事なお知らせです。
ご好評につき「ふれる・まわせる名茶碗」を11月10日(火)~23日(月・祝)の期間に再公開することとなりました!(体験は予約不要、会場に行けばどなたでも体験することができます)
引き続きウェブアンケートも実施します。回答くださった方にはささやかなプレゼントもご用意していますので、みなさんのご感想をぜひお寄せください。

このコンテンツで取り上げた「大井戸茶碗 有楽井戸」(重要美術品)、「志野茶碗 銘 振袖」(いずれも東京国立博物館蔵)は、平成館で開催中の特別展「桃山―天下人の100年」(会期〜11月29日、いずれも全期間展示)にて実物をご覧いただけます*

* 特別展の観覧には特別展観覧料ならびに特別展事前予約が必要です。特別展観覧料で、特別展ご観覧の当日に限り総合文化展もご覧いただけます。

さらに、本館14室では特集「破格から調和へ―17世紀の茶陶」(会期~11月29日)も開催中。江戸時代初頭の茶陶をご紹介しています。
本館や東洋館にはこのほかにもたくさんの陶磁作品があります。ぜひ、展示室でお気に入りを探してみてくださいね。ガラスケースの向こうのお茶碗がもっと身近に感じられるかもしれません。

▷1089ブログ関連記事「茶の湯のやきものを通して「桃山」に開眼!」を読む(トーハクウェブサイトへ)

本コンテンツについて動画でもご紹介しています。

8Kで文化財 ふれる・まわせる名茶碗

日時:2020年11月10日(火)~23日(月・祝) 9:30~17:00(金・土曜日は21時まで開館)

会場:東京国立博物館 東洋館1階ラウンジ(台東区上野公園13-9)

主催:東京国立博物館・文化財活用センター・シャープ株式会社

料金:総合文化展観覧料金(一般1,000円 大学生500円)でご覧いただけます

※コンテンツの体験にかかる所要時間は約5分です。体験は予約不要、会場に行けばどなたでも体験することができます。
※東京国立博物館への入館にはオンラインによる事前予約が必要です。詳細は
トーハクウェブサイトをご確認ください。
※東京国立博物館のガイドラインに従い、機器や手指の消毒等の感染防止対策を実施します。

▷開催概要をみる

 

カテゴリ: 展示・イベント