〈冬木小袖〉修理プロジェクトが始まりました!
東京国立博物館(トーハク)と文化財活用センター〈ぶんかつ〉は、新しく〈冬木小袖〉修理プロジェクトを立ち上げました。
このプロジェクトは尾形光琳が自ら筆をとって秋草を描いたきもの、重要文化財「小袖 白綾地秋草模様(こそで しろあやじあきくさもよう、 通称〈冬木小袖〉)」(東京国立博物館所蔵)の修理のために、皆さまから寄附を募る活動です。
活動を通し、ひとりでも多くの方と一緒に、文化財を未来に伝えることを目指しています。
重要文化財 小袖 白綾地秋草模様 尾形光琳 筆 丈147.2cm 裄165.1cm 江戸時代・18世紀前半
展示ケースの中にある文化財はどれもすばらしい作品ですが、光や熱、温湿度の変化などによって時間の経過とともに少しずつ劣化が進んでしまいます。特に日本やアジアの文化財は、木や紙、絹など脆弱なものが多く、展示はもちろん保管にも細心の注意を払う必要があります。
トーハクでは館の予算や保存修理事業への寄附金を充て、専門家による修理を行なっています。ただ、予算には限りがあり、現在も多くの文化財が修理の順番を待っている状態です。
白い絹地に秋草の模様が描かれたきもの、〈冬木小袖〉も例外ではありません。
江戸時代を代表する絵師・尾形光琳が本作品を描いて300年、そして明治期に東京帝室博物館(現在のトーハク)が購入してから140年あまり、布地全体が劣化し、糸の断裂が進んでいます。
補強の並縫いが負担となり傷みが進行している部分
襟から肩にかけて生地が傷んでいる様子
そこで、本プロジェクトを立ち上げ、〈冬木小袖〉の修理のために広く皆さまからの寄附をいただきたく、お願い申し上げる次第です。
〈ぶんかつ〉では皆さまからのご寄附を募るために、さまざまな企画を進めていきます。
第一弾はウェブサイトでの寄附金募集。
1口1000円からのご寄附で、皆さまのお名前やメッセージをウェブサイトに顕彰させて頂きます。
1万円以上のご寄附をいただいた方には、〈冬木小袖〉修理プロジェクトオリジナルの返礼品をご用意しました。
返礼品の一例。3万円ご寄附いただくと、お名前入りのオリジナル風呂敷を進呈いたします
第二弾として、2月18日からは〈冬木小袖〉修理プロジェクトの紹介コーナーを東京国立博物館本館1階に設け、募金箱を置かせていただきます。
〈冬木小袖〉オリジナル折り紙もお楽しみいただけますので、ぜひお立ち寄りください。
〈冬木小袖〉オリジナル折り紙
また、4月には特別展「きもの KIMONO」が開催されます。
〈冬木小袖〉も展示予定です。修理前の最後の展示です。ご来場をお待ちしています。
▷特別展「きもの KIMONO」公式サイトを見る(外部サイトへ)
〈ぶんかつ〉は、文化財を未来に伝えるために、すべての人が文化財に親しむ機会をつくること、ひとりでも多くの方に文化財を大切に思っていただくことが重要と考えています。
私たちはこのプロジェクトを通して、光琳のきもの〈冬木小袖〉の魅力を発信します。そして、ひとりでも多くの方に、文化財の修理について理解を深めていただけるよう願っています。
〈冬木小袖〉が多くの方の思いと一緒に未来につながっていくように、ぜひ、プロジェクトにご賛同、ご参加いただきたくお願いいたします。
さらに詳しい情報は、ぶんかつウェブの寄附ページにてご紹介しています。
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- 2020年01月28日 (火)