国立博物館の文化財であなたの地域の魅力を発信!
2020年が幕開けましたね。皆様、どのような新年をお迎えになられたでしょうか。
文化財活用センター〈ぶんかつ〉も今年は3年目を迎えます。
本年も引き続き、国の宝である文化財を、1000年先、2000年先の未来に伝えるために、さまざまな活動を行なっていく予定です。
皆様のお力添えをどうぞよろしくお願いいたします。
さて、〈ぶんかつ〉の4本の柱の一つ「貸与促進事業」は、年末に新しい募集要項が公開したばかり。 全国のミュージアムにお勤めの学芸員のみなさま、ご覧いただけましたでしょうか?
応募受付期間:4月1日(水)から6月30日(火)[17時必着]まで※1
▷2021(令和3)年度 国立博物館収蔵品貸与促進事業 実施対象館 募集要項のページを見る
「貸与促進事業」については、以前の救仁郷課長のブログでも詳しくご紹介しています。
この事業では、国立博物館が所蔵する文化財の貸し出しに際してかかる輸送費、保険料等を〈ぶんかつ〉が負担しています。また、2019年からは21件以上の作品をお貸し出しする大規模な展覧会(年間1件程度)に対し、広報費の一部も負担しています。
さて、2021年度事業の募集では、さらに多くのミュージアムに本事業をご利用いただけるようにと、新しい要素が加わりました。
新ポイント1:私立のミュージアムも応募いただけるようになりました!
「日本とアジアの歴史・伝統文化の発信」に加え、「地域文化の創生」「観光の振興」にも注目した本事業は、これまで応募資格を地方公共団体のミュージアムに限定していましたが、今回の募集からは、同じ目的をもって展覧会を企画する私立ミュージアムのみなさんも応募いただけるようになりました。
(*ただし、文化庁長官の承認を受けた公開承認施設及び博物館法で定められた登録博物館、博物館相当施設であることが応募条件です。)
新ポイント2:貸与品の対象が4つの国立博物館の所蔵品に広がりました!
これまでの貸与促進事業では、借用希望作品として申請できるのは東京国立博物館の所蔵品のみでしたが、2021年度事業の募集からは、京都国立博物館・奈良国立博物館・九州国立博物館が加わり、合計4つの国立博物館の所蔵品が対象となりました。※2
東京・京都・奈良・九州の4つの国立博物館の所蔵品を合わせると、その数は13万件以上。国宝は135件、重要文化財は994件という巨大コレクションです。(2019年3月31日現在、寄託品を除く)
もちろん各所蔵品の貸し出しにはさまざまな条件がありますが、あたためてきた企画のコンセプトに沿った借用希望作品一覧を作成するうえで、その選択範囲がかなり広がったのではないかと思います。
新ポイント3:貸し出し可能な作品を一覧で示した「貸与可能作品提示型」を新設!
「申請してもほとんどの作品が貸し出し不可という結果だと展覧会が成立しなくなるから、応募を躊躇してしまう・・・」
「あらかじめ借りられる作品がわかっていたほうが企画やコンセプトを立てやすいんだけど・・・」
そんなお悩み、ご希望をお持ちのミュージアムの学芸員さんに朗報です!
「貸与可能作品提示型」枠が新設されました。
2021年度募集では、「日本考古資料」と「黒田清輝作品」の2つのカテゴリーを設け、貸し出し可能な作品の一覧を提示しています。これらの貸与可能作品をベースに、ご希望の東京国立博物館所蔵品を加え、企画趣旨に沿った借用希望作品一覧を作成し、応募することができるのです。 教科書でおなじみの名品も含まれていますので、ぜひチェックしてみてくださいね。
重要美術品 猪形土製品 縄文時代(後~晩期)・前2000~前400年 青森県つがる市木造亀ヶ岡出土 東京国立博物館蔵
重要文化財 舞妓 黒田清輝筆 明治26年(1893) 東京国立博物館蔵
地域の魅力を発信できる文化財を、地元で、より多くの方に楽しんでいただきたい――。そんな意欲溢れるミュージアムの活動を、今後も〈ぶんかつ〉は応援していきたいと思います。
全国のミュージアムからのご応募をお待ちしております。
※1 2021(令和3)年4月~2022(令和4)年3月末までに開始される展覧会が対象です。
※2 奈良国立博物館・九州国立博物館の坂本五郎コレクションなど、寄贈条件により一部貸し出しできない収蔵品があります。詳細についてはお問い合わせください。
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- 2020年01月14日 (火)