キヤノン株式会社との文化財の高精細複製品の制作と
活用に関する共同研究プロジェクト

文化財活用センター〈ぶんかつ〉はキヤノン株式会社と、文化財の高精細複製品の制作と活用に関する共同研究プロジェクトを実施しています。
本プロジェクトでは、日本美術の名品について、キヤノンと特定非営利活動法人京都文化協会による「綴プロジェクト」の技術を用いて高精細複製品の制作を行うとともに、新しい活用方法の開発についての共同研究と実証実験を行っています。

日本の文化財は脆弱なものが多く、美術館や博物館の展示においてもさまざまな制限がかけられているのが現状です。そこで、ぶんかつ&キヤノンプロジェクトでは、原本とほぼ変わりない鑑賞体験が得られる高精細複製品を制作し、新しい活用方法の開発を行うことによって、より多くの人に文化財に親しむ機会と、より深い文化体験を提供してまいります。

本プロジェクトの目的

  • 高精細複製品利用による、文化財に親しむ機会の拡大と文化財についての理解促進
  • 教育プログラムを実施するファシリテーターなど、文化財の活用に係る人材の育成
  • 高精細複製品について、原本の再現性、耐久性、活用に際しての利便性の向上
「綴プロジェクト」とは

「綴プロジェクト」は、オリジナル文化財の保存と高精細複製品の活用を目的として、京都文化協会が主催し、キヤノンが共催して推進している社会貢献活動です。キヤノンの入力、画像処理、出力に至る先進のデジタル技術と、京都伝統工芸の 匠 たくみ の技との融合により、屏風や襖絵、絵巻物など古くから日本 に伝わる貴重な文化財の高精細な複製品を制作して寄贈しています。

2007 年からスタートした本プロジェクトは、海外に渡る以前の所有者などに寄贈する「海外に渡った日本の文化財」と、小・中学校の教科書に掲載の多い文化財などを対象に、教育現場で生きた教材として活用する「歴史をひもとく文化財」の 2 つのテーマのもと、毎年文化財を選定しています。