4つの担当からのメッセージ
文化財を通して豊かな体験と学びを得ることができるように

企画担当

〈ぶんかつ〉は、ミュージアムに関わる人はもちろん、一般市民も、企業やさまざまな社会的団体も、すべての人びとが文化財を「守り」「伝える」ために、考え、参加する社会をつくります。そのためあらゆる地域で、子どもから大人まで多くの人びとが、日本の文化財を身近に感じることができるよう、文化財の活用に関する新たな方法や機会を探求します。

〈ぶんかつ〉企画担当では、企業や各種団体とも連携して、先端的な技術による文化財の複製を製作したり、8K映像を用いたVR、AR、MRといったXR技術を駆使したコンテンツを開発、公開することで、文化財の魅力をよりわかりやすく伝えていきます。

これまでミュージアムを利用する機会がなかった方々を含め多くの人びとが、文化財に目を向けるきっかけとなるよう、そして文化財を通して豊かな体験と学びを得ることができるよう、さまざまな展示プログラムを開発して実施します。

貸与促進担当

日本の伝統文化に親しむ機会をふやす。そのために〈ぶんかつ〉は、国立博物館が収蔵する文化財の貸与を促進していきます。

国立文化財機構の施設である東京、京都、奈良、九州の4つの国立博物館は、魅力あふれる美術工芸品、考古資料、歴史資料を数多く収蔵しています。それらは日本の伝統文化と歴史を知るうえで欠くことのできない貴重な文化財です。こうした文化財の魅力と価値、日本の文化と歴史を広く伝えるため、従来から国立博物館は、収蔵品を自らの施設で展示公開するだけでなく、外部のミュージアムにも貸与し、国内外の展覧会に協力してきました。

〈ぶんかつ〉貸与促進担当では、日本が守り伝えた文化財をよりいっそう広く伝えるため、国立博物館の収蔵品貸与の促進に取り組みます。

保存担当

人々の歴史、文化の所産である文化財を良好な状態で保存し、次の世代に引き継ぐことは、ミュージアムの大きな使命です。したがって防災・防犯対策はもちろんのこと、文化財の物理的・化学的な変質を抑制し、また、虫やカビによる被害から守るための環境管理が求められます。そのためには、文化財の種類や材質、状態等から適切な温湿度等の環境条件を定め、これを実現・維持するための建築設計や設備を整え、その後も継続的な管理を行なう必要があります。

私たちは、ミュージアムにおけるより良い展示・収蔵環境の実現に資するため、文化財の保存環境に関する相談を随時受け付け、助言や調査協力などを行なっています。このほか、保存環境に関する調査・研究を行なおうとするミュージアムに対して、機材貸与等を通じた支援も実施します。また、研修会等の開催により、保存環境管理の基礎的知識や技術に関する情報発信や人材育成にも貢献します。

デジタル資源担当

文化財の活用を図る上で、デジタルデータの作成とその利用方法の開発は、大変重要です。文化財の原品を過度に利用することはその価値を損なうことにつながる恐れがあります。デジタル化によって、文化財の含む多様な情報を取得するとともに、それをわかりやすく新しい形で公開し、文化財への社会的な理解を深めることができます。

国立文化財機構に属する各施設(博物館、研究所)は1990年代からそれぞれが管理する作品や資料のデジタル化に取り組み、公開してきました。〈ぶんかつ〉デジタル資源担当では、それらのデジタル資源をできる限り統合的に運用し、利便性を高めることを目指します。

国立博物館所蔵の国宝・重要文化財約1000件の高精細画像を公開する「e国宝」や所蔵品全体を検索できる「ColBase」などすでに公開されているサイトを継承するとともに、各館・各施設が保有するデジタル資源を精査し、相互に連携する環境の構築を図ります。また、政府が進めるデジタルアーカイブ政策とも連携し、2020年に正式公開が予定されている文化資源の統合ポータル「ジャパンサーチ」にも参加します。

さらに、これからデジタル資源の利活用を目指す地方自治体やミュージアムからのご相談を受け、私たちの経験をもとに適切な事業の方向性や技術的な課題について助言をさせていただきます。