複製・デジタルコンテンツの利用

国際メディアセンター(IMC)政府広報展示およびアフターサミットへの出展

活用実績
会場: 広島県立総合体育館(グリーンアリーナ)弓道場
貸出複製: 花下遊楽図屏風、洛中洛外図屏風、檜図屏風、松林図屏風、納涼図屏風、観楓図屏風、風神雷神図屏風・夏秋草図屏風
期間: 2023年5月18日(木) ~ 2023年5月27日(土)

G7広島サミットの開催にあわせて開設する「国際メディアセンター(IMC)」(報道関係者の拠点および展示施設)における政府広報展示に、文化庁・国立文化財機構が出展。高精細複製屏風にプロジェクションマッピングを行なう体験型の展示のほか、エントランスでは東京国立博物館が所蔵する国宝「洛中洛外図屏風(舟木本)」、国宝「檜図屏風」、国宝「納涼図屏風」、国宝「観楓図屏風」などの高精細複製品がお出迎え。サミット終了後には「アフターサミット」として、広島県内在住の方を対象に公開します(主催:外務省・広島サミット県民会議)。

展示のみどころ

季節をめぐる高精細複製屏風

文化財活用センターとキヤノン株式会社が制作した高精細複製屏風にプロジェクションマッピングを行なう体験型の展示です。さらに、想像力を広げる映像で、日本美術を代表する絵師が屏風に描いた世界を、より能動的に五感で楽しむことができます。

春:国宝「花下遊楽図屏風」


会場風景

狩野長信筆「花下遊楽図屏風」は、江戸時代のはじめ頃のお花見の様子を描いた屏風です。踊っているのは、当時の最新のファッションに身を包んだ女性たち。刀を腰にさしているのは男装の一団です。今の歌舞伎のもととなった、当時流行の阿国歌舞伎の伊達姿を写しているのでしょう。自然を愛で慈しみ、春を謳歌する日本人の心を見事にとらえ、現代に生きる私たちも心が踊り、歌いたくなるような作品です。映像では、桜と海棠が咲きほこるなか、着飾った女性たちの宴が催されるうららかなシーンが蘇ります。

*原本は大正12年(1923)の関東大震災の時に、右の屏風の中央部分が失われ、現在は無地の紙を補って屏風に仕立てられています。「季節をめぐる高精細複製屏風」で展示する高精細複製品は、完全な姿を唯一伝えるガラス乾板の画像をもとに失われた部分を復元しています。

冬:国宝「松林図屏風」


会場風景

長谷川等伯筆「松林図屏風」は晩冬の松林が描かれた作品で、日本の水墨画の最高傑作とたたえられています。松は勢いのある筆の動きと墨の濃淡を駆使して画面に大きく描かれ、霞の間から松林が見え隠れする様子や、冷たく湿った大気など、その場面の雰囲気が表現されています。映像では晩冬の松林の一日が映し出されます。朝もやの中から松林が浮かび上がり、陽の光によって松の色が変化し、雪が降り積もり、夜を迎えます。

*本展示は2022年秋に東京国立博物館で実施した東京国立博物館創立150年記念特別企画「未来の博物館」の第2会場を再構成したものです。

高精細複製屏風の展示

弓道場エントランスに東京国立博物館が所蔵する国宝「洛中洛外図屏風(舟木本)」、国宝「檜図屏風」、国宝「納涼図屏風」、国宝「観楓図屏風」などの高精細複製品を展示します。