講義の様子(保存環境概論)

場所: 東京文化財研究所(東京都台東区上野公園13-43)地下会議室
参加者数: 31名
会期: 2019年7月8日(月) ~ 2019年7月19日(金)

  *受講者の募集と応募は、都道府県教育委員会を通じて行なっており、東京文化財研究所や当センターへの直接応募は受け付けておりません。開催通知等は1月下旬に教育委員会に送付済みです。受講希望の方は各教育委員会にお問い合わせください。

  *申し込みはすでに締め切りました。


資料の「保存」は文化財保存施設の大きな責務です。しかし、保存を担当する学芸員にとって、そのための専門教育を受ける機会は非常に乏しいのが現状です。本研修は保存担当者を対象に、主に自然科学的知見に基礎をおいた、保存に不可欠かつ基本的な知識や技術を、講義や実習を通じて学んでいただき、その資質の向上をもって保存に資することを目的に行なうものです。この研修は1984(昭和59)年以来、東京文化財研究所が行なってきましたが、今年度は文化財活用センターとの共催となります。


実施の様子① 温湿度管理の講義と実習

実施の様子② 博物館内の温湿度環境計測に用いるさまざまな機材に触れてもらいました。


主に全国のミュージアムで資料保存を担う学芸員や自治体の文化財行政担当者を対象に、保存のための基礎知識や技術を学んでいただくことを目的とした表題の研修を、東京文化財研究所(東文研)との共催で、7月8日(月)から7月19日(金)までの2週間、東文研にて開催しました。

前半週は主に文化財活用センター〈ぶんかつ〉が担当し、収蔵・展示空間における温湿度変動や空気汚染物質、照明光が資料に与える影響、その抑制のための環境管理に関して、実習を交えながら講義を行ないました。また、外部講師を招き、近年特に資料としての重要性が高まっている写真資料の保存、そしてミュージアムの防災体制について学びました。

後半週は東文研が担当となり、保存科学研究センターに所属する各研究室が、科学調査や修復材料などに関する講義やワークショップを行ないました。本研修は、1984(昭和59)年より毎年実施しており、今回で受講者の累計がちょうど900名となりました。受講生の方々は全国のミュージアムで保存の重責を担っており、また世代の交代も着実に進んでいます。

*2020(令和2)年度は、東京オリンピック・パラリンピック開催のため、本研修は例年と同様の7月の実施は困難と見込んでいます。オリパラ後の実施を前提に、現在具体的な日程を検討中です。詳細が決まり次第、すみやかにお知らせします。