ColBaseの画像の利用状況を調査してみました
ColBase(国立文化財機構所蔵品統合検索システム)は、国立文化財機構の4つの国立博物館(東京国立博物館、京都国立博物館、奈良国立博物館、九州国立博物館)と2つの研究所(東京文化財研究所、奈良文化財研究所)の所蔵品、および皇居三の丸尚蔵館の収蔵品を、横断的に検索できるサービスです。
このサイトに掲載されている文化財の画像は、すべてダウンロード可能。
出典を明記すれば、商用利用も含め自由に使うことができます。
▷▷ColBase(国立文化財機構所蔵品統合検索システム)
ColBaseのどの画像がどれぐらいダウンロードされているか、興味ありませんか?
デジタル資源担当ではColBaseの利用状況を2024年度から調査しています。
今回は、調査の結果を少しだけお届けします。
昨年、2025年の一年間でColBaseから画像がダウンロードされた回数は、なんと約61,000回でした!
1日あたり167件ダウンロードされた計算になりますね。
たくさんの方にColBaseをご利用いただき、ありがとうございます。
では、どのような文化財の画像が利用されたのでしょうか?
◆2025年 年間ダウンロード回数ランキング
第1位「青楼美人合姿鏡(せいろうびじんあわせすがたかがみ)」
東京国立博物館 A-8773 307回

「青楼美人合姿鏡」(部分)、北尾重政・勝川春章筆、江戸時代・安永5年(1776)、彩色摺絵本、東京国立博物館
▷▷ColBaseで「青楼美人合姿鏡」を見る
第2位「三代目大谷鬼次(さんだいめおおたにおにじ)の江戸兵衛(えどべえ)」
東京国立博物館 A-10569-471 250回

重要文化財「三代目大谷鬼次の江戸兵衛」、東洲斎写楽筆、江戸時代・寛政6年(1794)、大判錦絵、東京国立博物館
▷▷ColBaseで「三代目大谷鬼次の江戸兵衛」を見る
第3位「婦女人相十品(ふじょにんそうじっぽん)・ポッピンを吹く娘(むすめ)」
東京国立博物館 A-10569-546 229回

「婦女人相十品・ポッピンを吹く娘」、喜多川歌麿筆、江戸時代・18世紀、大判錦絵、東京国立博物館
▷▷ColBaseで「婦女人相十品・ポッピンを吹く娘」を見る
第4位「唐獅子図屛風(からじしずびょうぶ)」
皇居三の丸尚蔵館 SZK002944 166回

国宝「唐獅子図屛風」(右隻)、狩野永徳筆、桃山時代・16世紀、紙本金地着色、皇居三の丸尚蔵館
▷▷ColBaseで「唐獅子図屛風」を見る
第5位「洛中洛外図屛風(舟木本)(らくちゅうらくがいずびょうぶ ふなきぼん)」
東京国立博物館 A-11168 150回

国宝「洛中洛外図屛風(舟木本)」、岩佐又兵衛筆、江戸時代・17世紀、紙本金地着色、東京国立博物館
▷▷ColBaseで「洛中洛外図屛風(舟木本)」を見る
第6位「冨嶽三十六景(ふがくさんじゅうろっけい)・神奈川沖浪裏(かながわおきなみうら)」
東京国立博物館 A-11177-4 146回

「冨嶽三十六景・神奈川沖浪裏」、葛飾北斎筆、江戸時代・19世紀、横大判錦絵、東京国立博物館
▷▷ColBaseで「冨嶽三十六景・神奈川沖浪裏」を見る
第7位「動植綵絵(どうしょくさいえ)」
皇居三の丸尚蔵館 SZK002949 145回

国宝「動植綵絵」のうち《群鶏図》、伊藤若冲筆、江戸時代・18世紀、絹本着色、皇居三の丸尚蔵館
▷▷ColBaseで「動植綵絵」を見る
第8位「風神雷神図屛風(ふうじんらいじんずびょうぶ)」
東京国立博物館 A-11189-1 142回

重要文化財「風神雷神図屛風」、尾形光琳筆、江戸時代・18世紀、紙本金地着色、東京国立博物館
▷▷ColBaseで「風神雷神図屛風」を見る
第9位「遮光器土偶(しゃこうきどぐう)」
東京国立博物館 J-38392 140回

重要文化財「遮光器土偶」、縄文時代(晩期)・紀元前1000~前400年、土製、東京国立博物館
▷▷ColBaseで「遮光器土偶」を見る
第10位「見返り美人図」
東京国立博物館 A-60 136回

「見返り美人図」、菱川師宣筆、江戸時代・17世紀、紙本着色、東京国立博物館
▷▷ColBaseで「見返り美人図」を見る
※「ダウンロードボタン」を押して画像をダウンロードした作品を集計しています。
2025年で最もダウンロードされたのは、蔦屋重三郎が興した耕書堂から出版された「青楼美人合姿鏡」でした。この作品は2025年のNHK大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」で登場し、SNSでも話題になったものです。2025年3月9日(日)の「青楼美人合姿鏡」登場回直後、ダウンロード回数でトップに躍り出ました。
さらに2位、3位にも「べらぼう」で活躍した東洲斎写楽、喜多川歌麿の浮世絵がランクイン。
もともとの浮世絵の人気に加えてマスメディアの影響力、そして大河ドラマの存在感の大きさが感じられます。
興味深いのは、ダウンロードランキング1位の作品でも合計307回しかダウンロードされていないということです。年間の画像ダウンロード回数が約61,000回なのに対して、1位のダウンロード回数が少ないと思いませんか?
2025年一年間でダウンロードされた作品は、約17,000作品でした。
そのうち94%にあたる約16,000作品は1~10回程度しかダウンロードされませんでした。
つまり、有名な作品に画像のダウンロードが集中するというわけではなく、1~10回しかダウンロードされない作品が大量にあることがわかりました。
したがって、ColBaseでは誰もが目にする有名な作品の画像だけでなく、むしろ、その他の作品も含めてさまざまな作品の画像が幅広くダウンロードされていると言えます。
この結果は、「有名な作品がダウンロードの大半を占めるだろう」という私たちの当初の予想を裏切る、意外なものでした。
ミュージアムのデジタルアーカイブには、広く認知されている作品だけでなく、幅広いジャンルの作品画像をできるだけ多く掲載することが重要であるということが、画像のダウンロード統計の分析を通して明らかになりました。
◆2025年 年間ダウンロード回数ランキング
ColBaseでは、2024年から画像のダウンロード数と合わせて、利用目的のアンケートも集計しています。昨年、2025年の 集計結果はこちらのグラフのとおり。

ColBase画像利用目的アンケート2025年年間集計結果(総回答数23,342件)
「教育、学習」目的での利用が最も多く、全体の43%と半分近くを占め、「調査、研究、展示」(19.1%)、「出版、放送」(16.7%)と続きます。
教育・学術・研究またはそれらを普及する目的で、ColBaseを多くご利用いただいていることがわかりました。
一方で、商品や動画、ゲームといった、コンテンツ制作にかかわるクリエイティブな利用目的も一定数見られます。
こうした新しい用途での利用を通して日本・東洋の文化財の魅力を広く世界に発信してもらうために、これまでColBaseを知らなかったさまざまな層にColBaseを知っていただきたいと思っています。
また、ColBaseには現在、約15万件の情報が掲載されており、このうち約3割に画像を掲載しています。これから画像の掲載率をさらに高め、より多くの作品の画像を広く提供することで、私たちはColBaseの利用者をさらに増やしたいと考えています。
◆さいごに
ColBaseの画像がどのように利用されているかを分析する内容の論文を発表しました。
「『ColBase:国立文化財機構所蔵品統合検索システム』に掲載されている文化財撮影画像の利用状況」 ▷▷J-STAGEでこの論文を読む
今回の記事は、この論文の成果によるものです。
今後も、多くの方にColBaseをどんどん活用していただけたら嬉しく思います。
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- 2026年02月19日 (木)