空の玄関口・羽田で、日本文化に触れる
2024年6月から羽田空港国際線エリアにて、日本文化や四季の変化を感じられる展示「日本美術のつばさ×HANEDA」を行なっています。実作品だと公開される機会も限られ、しかもガラスケース越しでしか見られない貴重な文化財ですが、こちらの展示コーナーでは高精細複製品によって間近でじっくりとご覧いただけます。訪日客だけではなく、国内のみなさんにも楽しんでいただける展示です。
展示テーマは「日本の四季」
作品を通じて、繊細で情緒あふれる日本の四季を感じてもらうため、季節の変化にあわせて数か月おきに展示する屏風を替えています。
現在の展示のイメージは「冬」。羽田空港第2ターミナル国際線エリア3階出発ロビーには、高精細複製品「国宝 松林図屏風」を展示しています。
高精細複製品 「国宝 松林図屏風」
原本/国宝 長谷川等伯筆 安土桃山時代・16世紀 東京国立博物館蔵
屏風の脇には作品の魅力を日英2か国語でご紹介。QRコードを読み取れば、「ColBase:国立文化財機構所蔵品統合検索システム」で、さらに詳しい説明も見ることができます。
エスカレーターを上がってすぐ左側が展示スペース。グレーの展示台が目印!
展示から外に目を向けると、滑走路が目の前に。展示と飛行機のコラボレーションが楽しめます。
ここで展示されているのは、文化財活用センター〈ぶんかつ〉とキヤノン株式会社による共同研究プロジェクト「高精細複製品を用いた日本の文化財活用のための共同研究」の一環で制作・活用した高精細複製品と、「綴プロジェクト」から独立行政法人国立文化財機構に寄贈された高精細複製品です。
▷▷キヤノン株式会社との文化財の高精細複製品の制作と活用に関する共同研究プロジェクトの詳細はこちら
高精細複製品「国宝 松林図屏風」は2月下旬まで展示予定。
ちなみに、「松林図屏風」の原本は、東京国立博物館本館国宝室での展示は1月13日(月・祝)で終了してしまいましたが、特別3室の体験型展示スペース「日本美術のとびら」では2月24日(月・祝)まで、羽田空港「日本美術のつばさ×HANEDA」では2月下旬まで展示されています。ほかの展示品とあわせてお楽しみください。
第3ターミナルにも高精細複製品を展示中
展示は第2ターミナルだけではなく、第3ターミナルでも開催中。
ターミナル間の移動はシャトルバスを利用することができ、第3ターミナル3階の出発ロビーからエスカレーターで4階へ上がると、ショッピング&レストランエリア「江戸小路」があります。江戸の街並みを再現したこのエリアの中心には、赤い柱が印象的な「江戸舞台」があり、現在は、高精細複製品「風神雷神図屏風」が展示されています(2月下旬まで)。
江戸舞台に展示されている高精細複製品「重要文化財 風神雷神図屏風」。エスカレーターを上がり、広小路をまっすぐ進んだ先にあります。
原本/重要文化財 尾形光琳筆 江戸時代・18世紀 東京国立博物館蔵
さらに、3月14日(金)まで、16時~24時の間、天井部分がライトアップされています!今年のイルミネーションのコンセプトは「竹林の煌めき」だそう。天井のライトはさまざまな色に変化するので、屏風の印象もがらりと変わります。
ライトアップされた「風神雷神図屏風」。多くの人が足を止め、屏風を眺めていました。
展示作品情報
高精細複製品「国宝 松林図屏風」
展示場所:第2ターミナル国際線エリア 3階出発ロビー
展示期間:2024年12月10日(火)~2025年2月下旬
高精細複製品「重要文化財 風神雷神図屏風」
展示場所:第3ターミナル4階「江戸舞台」
※同スペースでイベント開催の場合は、展示はありません
展示期間:2024年12月10日(火)~2025年2月下旬
過去の展示
2024年6月からスタートした展示もすでに7か月が経過。季節も夏から秋、そして冬へと変化し、その間に展示も2回替わりました。あいにくご覧いただけなかった方に、過去の展示を振り返ろうと思います。
夏:高精細複製品 「重要文化財 風神雷神図屏風/夏秋草図屏風」(第2ターミナル)、高精細複製品 「重要文化財 歌舞伎図屏風」(第3ターミナル4階「江戸舞台」)
「風神雷神図屏風」原本/重要文化財 尾形光琳筆 江戸時代・18世紀 東京国立博物館蔵
「夏秋草図屏風」 原本/重要文化財 酒井抱一筆 江戸時代・19世紀 東京国立博物館蔵
「歌舞伎図屏風」右隻 原本/重要文化財 菱川師宣筆 江戸時代・17世紀 東京国立博物館蔵
秋:高精細複製品 「重要文化財 秋草図屏風」(第2ターミナル)、高精細複製品 「国宝 洛中洛外図屏風(舟木本)」(第3ターミナル4階「江戸舞台」)
「秋草図屏風」 原本/重要文化財 俵屋宗雪筆 江戸時代・17世紀 東京国立博物館蔵
「洛中洛外図屏風(舟木本)」右隻 原本/国宝 岩佐又兵衛筆 江戸時代・17世紀 東京国立博物館蔵
残すは「春」をテーマにした作品。どんな高精細複製品が展示されるのか、お楽しみに!
日本美術のつばさ×HANEDA
会期:2024年6月27日(木)~2025年3月31日(月)
会場:羽田空港 国際線第2ターミナル3階、第3ターミナル4階「江戸舞台」
江戸舞台ライトアップ期間:2024年12月16日(月)~2025年3月14日(金)
点灯時間:16時~24時
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- 2025年01月23日 (木)