ColBaseを使いこなそう!入門編
これまで、ぶんかつブログでは「ColBase(コルベース/国立文化財機構所蔵品統合検索データベース)」[https://colbase.nich.go.jp/]の活用方法について、主に掲載画像の利用方法などを取り上げてきました。
*ColBaseは、国立文化財機構の4つの国立博物館(東京国立博物館、京都国立博物館、奈良国立博物館、九州国立博物館)と2つの研究所(東京文化財研究所、奈良文化財研究所)の所蔵品、および皇居三の丸尚蔵館の収蔵品を、横断的に検索できるサービスです。
でも、いざ実際にColBaseにアクセスしてみても、「いろんな項目があって見方がよくわからない…」、「探したい作品が見つけられない!」など、なかなかColBaseを使いこなすことができていない方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで、ColBaseの基本的な使い方から知って得する裏技的な情報まで、「ColBaseを使いこなそう!」シリーズとして、全3回にわたってお届けしたいと思います。
入門編である今回は、ColBaseのページの見方についてご紹介いたします。
さまざまな作品のページを見ながら説明していきます!
◆トップページ
ColBaseにアクセスすると、次のようなトップページが表示されます。
特定の作品の情報を知りたい場合には検索ボックスに名称などを入力して作品を絞り込みますが、ColBaseの楽しみ方はそれだけではありません。
美術や歴史には詳しくないし、何を検索したらよいか思いつかない…そんな方でも十分楽しめる検索システムなのです。
検索ボックスの下にたくさんの作品画像が表示されていますが、実はこれ、ColBaseに掲載されている画像が分類や所蔵館を問わず、ランダムに表示されているんです!
ここを見ているだけで、思いがけずお気に入りの作品を見つけられるかもしれません。ぜひ一度覗いてみてはいかがでしょうか。
◆詳細情報ページ
トップページのランダム表示画像や、検索ボックスの検索結果で表示された画像をクリックすると、その作品の詳細情報ページに飛ぶことができます。次はこの詳細情報ページを、5つのエリアに区切ってご説明します。
*ColBaseはまだ成長中のデータベースのため、画像や解説文が掲載されていない作品も数多くあります(コンテンツの充実に向けて、スタッフが日々作業を行なっています!)。
今回は、画像と解説文がともに掲載されている、『風神雷神図屏風』(東京国立博物館蔵)のページを見ていきます。
① 作品画像
作品の画像が表示されます。部分を写したものや、さまざまな角度から撮影されたものなど、複数の画像が掲載されている場合もあります。
画像下の【作品画像一覧ページ】をクリックすると、そのページに掲載されているすべての画像をサムネイル形式で見ることができます。
さらに画像をクリックすると、選択した画像が大きく表示されます。
この画面ではズームや全画面表示の機能が使用でき、より詳細に画像を見ることができます。
気になる画像を見つけたら、どんどんクリックしてみてください!
画像をズームした状態。かなり細かいところまで見ることができます。
② 解説文
画像の右側にその作品の解説文が掲載されています。
作品によっては、展示室内に掲出されている解説文や、過去の企画展で使用された解説文、また後述する音声ガイドの内容を書き起こした文章など、複数の解説文が掲載されていることがあります。
『埴輪 挂甲の武人』の場合、上が音声ガイドの文章、下が展示室内掲出の解説文です。
③ ダウンロード(作品画像・音声ガイド)/出典URL
ダウンロード項目の【作品画像一式】をクリックすると、そのページに掲載されているすべての画像を一括でダウンロードすることができます。
その際、画像の利用目的アンケートが表示されますので、差し支えなければぜひご協力お願いいたします(スキップを押しても画像のダウンロードは可能です)。
東京国立博物館の所蔵品に関しては、音声ガイドアプリ「トーハクなび」で音声ファイルが公開されているものは、その音声をColBaseからダウンロードして聞くことができます。
音声は日本語だけでなく、英語・中国語・韓国語の多言語が用意されている作品もあります。
【作品画像一式】の下にある各言語の音声ファイルから、必要なものをクリックしてダウンロードしてください。
京都国立博物館、奈良国立博物館、九州国立博物館、東京文化財研究所、奈良文化財研究所の所蔵品の詳細情報ページには、ダウンロード項目の下に【出典URL】項目が設けられています。
こちらをクリックすると各所蔵施設のデータベース等に移動し、当該作品の情報を見ることができます。
奈良国立博物館所蔵の『牛皮華鬘』。出典URLをクリックすると、所蔵館の収蔵品データベースに飛ぶことができました。
④ 詳細情報
作品の情報が項目ごとに分かれて記載されています。ここでは、いくつかの項目をピックアップしてご説明します。
《文化財指定》…作品が国宝・重要文化財・重要美術品のいずれかに指定されている場合はこちらに記載されます。
《員数(いんずう)》…その作品全体の数が記載されます。例えば、複数巻ある巻物の場合は「5巻」等と記載されます。
《法量(ほうりょう)》…作品の寸法(サイズ)が記載されます。
《銘文等》…銘として像に刻まれた文字や、書画に署名または押印された落款などがある場合はこちらに記載されます。
《機関管理番号》…作品を管理するために各所蔵施設が付けた番号が記載されます。こちらについては上級編で詳しく取り扱います!
⑤ 作品の全体/部分の一覧
一部の作品には、【作品の全体】もしくは【部分の一覧】という項目が設けられています。
この全体と部分は、各作品の状況に合わせてさまざまな理由で分けられています。
例えば『風神雷神図屏風』の場合、尾形光琳が描いたこの屏風の裏に、酒井抱一があとから『夏秋草図屏風』を描き加えました。 現在は作品保存のために表と裏が分けられ、それぞれ別の屏風になっていますが、このような経緯から、『風神雷神図屏風』のページには『風神雷神図/夏秋草花図屏風』が【作品の全体】として表示されています。
『夏秋草図屏風』のページでも同様の表示がされています。
一方、『風神雷神図/夏秋草花図屏風』のページでは、次のように【部分の一覧】項目が設けられており、『夏秋草図屏風』と『風神雷神図屏風』がそれぞれ部分として表示されています。
『風神雷神図屏風』のページでは【作品の全体】となっていた項目が、【部分の一覧】になっています。
このように、【作品の全体】や【部分の一覧】項目をチェックすれば、関連する他の作品についても知ることができます。作品に対する理解をより深めることができるので、ぜひこれらの項目をご活用ください!
以上、トップページおよび詳細情報ページの各項目についてご説明いたしました。
今後、ColBaseを使いこなしていくうえでの第一歩として、この記事を参考にしていただけると嬉しいです。
次回のテーマは、「検索の方法について」です。欲しい画像を見つけるための絞り込み方など、検索のコツをお伝えします。お楽しみに!
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- 2024年09月26日 (木)