ColBaseを活用しよう!グッズ販売編
文化財活用センター〈ぶんかつ〉が運営する「ColBase(コルベース/国立文化財機構所蔵品統合検索データベース)」[https://colbase.nich.go.jp/] に掲載されている文化財の画像をたくさんの方にご利用いただけるよう、デジタル資源担当が連載する「ColBaseを活用しよう!」シリーズ。
全6回連載の最終回は、ColBaseの画像を使ったグッズを販売する際の出典の記載方法など注意点をおさらい。
今回は、以下の3点のグッズを「販売する」と仮定してご紹介していきます。
・Tシャツ:ColBaseの画像をそのまま使用しました
・サコッシュ:ColBaseの画像を加工して使用しました
・キーホルダー:ColBaseの画像を下絵にしてつくりました
前回のブログではColBaseの画像を使ってカレンダーや、ブックカバーなどを製作しましたが、前回に引き続きこの記事のために新たに製作してみました。
結局スタッフがいろいろ作りたいだけかもしれません(たのしんじゃってます!)。
◆ColBaseの画像をそのままグッズに使用して販売する場合
ColBaseの画像をTシャツにプリントして販売したいとき、どのように出典を書けばいいのでしょう?
ロマンチックな浮世絵Tシャツ
ちょっとドキドキするシーン。喜多川歌麿の浮世絵をTシャツに。
▷ColBaseで喜多川歌麿「衝立の上下」を見る
透け感のある男性の羽織の裾をつかみ、生地を透かして男性を見つめるお茶目な女性と、そんな女性を見つめ返す男性のほほえましい様子が描かれています。
色数を抑えて、なんともオシャレな浮世絵です。
デニムにも合いそうです。
お寺巡りに…両界曼荼羅Tシャツ。
表は胎蔵界曼荼羅。
ちなみに背中は金剛界曼荼羅になっています。
お寺巡りをすると、本堂に掛けられた大きな曼荼羅に圧倒されることがあります。
ColBaseの解説文を読んでみると、
曼荼羅は、真言密教(しんごんみっきょう)の世界観を絵画化したもので、金剛界は悟りへの道筋を表し、胎蔵界は慈悲の広がりを表すとされます。そして、宇宙に太陽と月があるように、金剛界と胎蔵界の二つの曼荼羅があることによって、一つの世界が表されるのです。
※この解説文は2023年11月時点のものです。解説文は定期的に見直され、今後更新される可能性があります。
なるほど。そんな壮大な世界観が表現されているのですね。
たしかに、見れば見るほどに引き込まれます…。
これらのTシャツのように、トリミングや、加工をせずColBaseの画像をそのまま使用したグッズを販売するとき、出典はどのように表記すればいいのでしょう?
(出典については、これまでの記事でも紹介しているのですが、大事なことなので何度でも書きます!)
このように、ColBaseに掲載された画像をそのまま商品にプリントする場合は、商品を購入する人がわかるように出典を表記すれば問題ありません。
背中のタグなどに出典を記載すれば、商用利用OK!
商品に直接出典を表記することが難しい場合は、商品とは別に、出典を表記したペーパータグ(下げ札)などを同封するのでも大丈夫です。
出典を表記したペーパータグ(下げ札)などを同封してもOK!
◆ColBaseの画像を加工してグッズに使用して販売する場合
つぎは、画像を加工する場合を見ていきましょう。
東京国立博物館の展示室を歩いていたら、秋草の描かれた美しい小袖(江戸時代の着物)が目に止まりました。
尾形光琳が模様を描いた、通称「冬木小袖」です。
▷ColBaseで「小袖 白綾地秋草模様」を見る
江戸時代を代表する絵師である尾形光琳が直接模様を描いたとされるこの小袖。
桔梗、薄、菊、萩、などの秋草が風にそよそよと揺れるように描かれています。思わず、可憐な秋草に目を奪われます。
「こんな模様のサコッシュがほしい!みんなもほしいのでは?」
ということで、ColBaseから「小袖 白綾地秋草模様」の画像をダウンロード。
その画像を画像編集ソフトで加工して、模様だけを抜き出しました。
画像編集ソフトで加工して、桔梗と薄の模様を抽出。
それを無地のサコッシュに転写して、「秋草模様のサコッシュ」完成です。
秋草模様のサコッシュ
表には冬木小袖から、後身頃上に描かれた桔梗と薄の模様を取り出しました。
裏には同じく冬木小袖から、後身頃下に描かれた秋草のひとむらを取り出しました。
こちらのサコッシュは、ColBaseの画像を加工して背景を切り取り、模様だけを抜き出しています。
このように、ColBaseの画像を加工して商品にする場合は、出典だけでなく、画像を加工したということも明記することをお願いしています。
「画像の出典」と「画像を編集・加工したこと」を、販売時に商品を購入する人がわかるように表記すれば、大丈夫です。
サコッシュの内側やタグなど、グッズを購入した人がわかるところに出典を記載すれば、商用利用OK!
商品に直接出典を表記することが難しい場合は、商品とは別に、出典を表記したペーパータグ(下げ札)などを同封するのでも大丈夫です。
出典を表記したペーパータグ(下げ札)などを同封してもOK!
なお、近年では、通販アプリの普及によって、オンラインでも気軽に自作のグッズを販売できるようになりました。
ColBaseの画像を使用したグッズをオンラインで販売される際は、商品説明の欄など、購入する方にわかるようなところに出典を明記してください。
◆ColBaseの画像を下絵にしてグッズを作って販売する場合
ColBaseの中から、プラ板と油性マジックで簡単にできるアクリルキーホルダーを作ってみました。
動物いろいろキーホルダー
マジックでなぞるだけ。大昔の人が作った作品の力によって、オシャレな仕上がりに。
アクリルキーホルダーにしたい作品を紙にプリントし、その上にプラ板を載せて、油性マジックでなぞります。
慎重になぞります…(はみ出しちゃっても結構なんとかなります)
写真をトレースするだけで、結構サマになってます!
▷ColBaseで「オクシリンコス像」を見る
▷ColBaseで「山羊形リュトン」を見る
▷ColBaseで「黒褐釉象形容器」を見る
ColBaseの画像を利用する際には出典の明記をお願いしていますが、このキーホルダーのようにColBaseの画像を下絵に使用した場合は、画像をグッズに直接使用しているわけではないため、販売にあたって出典を明記する必要はありません。
フリーマーケット、クラフト市などでも気軽に出品いただけます。ぜひハンドメイドやイラストの下絵にもColBaseをご活用ください。
これでデジタル資源担当が連載する「ColBaseを活用しよう!」シリーズは完結です。
ColBaseに掲載された文化財の画像は、みなさんに自由に使っていただくために情報を整備していますので、ステキな文化財グッズを世に売り出していただければとても嬉しいです。
ColBaseを活用しよう!シリーズ
▷関連ブログ「ColBaseを活用しよう!ColBaseの画像利用について」の記事を読む
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- 2023年11月22日 (水)