ぶんかつブログ

博物館・美術館等保存担当学芸員研修(基礎コース)スタート

明けましておめでとうございます、と言うにはちょっと遅いのですが、令和4年、年明け最初のブログは、保存担当よりお送りします。再びの新型コロナウィルス感染拡大の中で、未だ先が見通せない世の中ですが、文化財活用センター〈ぶんかつ〉は今年も皆様にさまざまな形で文化財に接していただくべく、精力的に活動して参りますので、どうか御贔屓によろしくお願い申し上げます。

さて、保存担当、今年最初の大きな活動は、つい先日、1月17日にスタートした「博物館・美術館等保存担当学芸員研修(基礎コース)」です。この研修会は、東京文化財研究所(東文研)が昭和59年より、毎年7月に開催していたもので、〈ぶんかつ〉発足後は、我々も共同していました。これを今年度からは、〈ぶんかつ〉が基礎コース、東文研が上級コースとして、それぞれの日程で開催することとなったものです。

〈ぶんかつ〉が主催する基礎コースは、ミュージアムにおける文化財保存のための環境管理の基本を学んでいただくことを目的とするもので、学芸員や自治体の文化財行政担当者などを対象としています。
実は基礎コースは、同じカリキュラムで年2回開催するつもりで、今年度は昨年8月にも予定していたのですが、緊急事態宣言のために、やむを得ず中止になりました。ですので、今回がまさに記念すべき第1回の基礎コースとなります。

ただ、今年度は約200名の参加応募を頂いたのに、8月は中止、今回も「密」を避けるために、受け入れを大幅に制限しなければならず、非常に多くの方の希望に沿うことが出来なかったのが何とも申し訳なく、悔やまれるところです。


会場のトーハク黒田記念館。
もともとは、黒田清輝の遺言に基づいて設立された美術研究所で、昭和3年竣工の風格ある建物です。

何はともあれ、初めての基礎コースは、東京国立博物館(トーハク)黒田記念館を会場として、旭センター長の開会挨拶とともに始まりました。


旭センター長による参加者の皆様へのご挨拶

21日までの5日間、プログラムは次のとおりです。外部機関の方にお願いしている講義もあり、初学者向けとしている研修会ですが、結構盛りだくさんです。


1/17(月) 開講式、文化財保存環境概論、文化財公開施設の設計指針
1/18(火) 温湿度管理(展示・収蔵空間の温湿度環境、空調の基礎、モニタリング)
1/19(水) 環境計測の留意点、空気環境管理、展示照明管理
1/20(木) 写真資料の保存環境、博物館におけるIPM(生物被害管理)
1/21(金) 博物館における防災、閉講式

参加者の皆様には、徹底した感染防止対策を講じながら、保存環境管理について、しっかりと学んでいただき、また、このような機会だからこそ、新しい知識とともに、参加者同士の繋がりを、これからの財産として持ち帰っていただければと思っています。また、基礎コースで得た知識をさらに深めたい、拡げたい方は、東文研主催の上級コースへと案内します。


マジメな研修のひとこま。

令和4年度の基礎コースについては、今年度中に各都道府県、政令指定都市教育委員会などを通じて、全国のミュージアムに案内を行なう予定です。少しでも早くコロナ禍が終息し、より多くの方にご参加いただけるようになりたいものです。

カテゴリ: 文化財の保存