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<ぶんかつ>スタッフが活動の舞台裏を紹介します。

〈ぶんかつ〉ことはじめ-前編-

昨年の暑い夏、平成30年7月に文化財活用センターが発足しました。ここでは〈ぶんかつ〉誕生前夜、ともいうべき準備室設置の経緯を振り返りたいと思います。


「文化財を積極的に活用し、それを日本の活力のひとつとしよう」という国の大きな方針から、〈ぶんかつ〉設立の構想が生まれました。平成29年度に文化庁は、文化財保護法の改正に向け、文化審議会文化財分科会に企画調査会を設置し、これまでの文化財保護法における課題を整理しました。その企画調査会の下に設置されたのが「これからの国宝・重要文化財(美術工芸品)等の保存と活用の在り方等に関するワーキンググループ」です。ここでは、美術工芸品に関する制度のほか、素材や構造などがぜい弱な日本の美術工芸品をどう「保存」し「活用」するのか、という議論が繰り広げられました。さらに国宝・重要文化財(美術工芸品)の適切な公開の在り方や保存活用計画、文化財の公開・活用に係るセンター的機能の整備についての議論があり、それが今の〈ぶんかつ〉の骨子となっています。


こうして、さまざまな人々がさまざまな想いで〈ぶんかつ〉に期待しつつ、平成30年4月に準備室ができました。しかし、発足は3か月後の7月と決まっている状態。私たちは、極めて短時間の準備で一体「何ができるのか」という議論をしました。とくに、文化財とは何か、それを活用する目的は何なのか、活用するためにはどうしたらいいのか、ということをよく話し合い、以下のように考えました。

・文化財とは何か:文化財は長い歴史の中で生まれ、はぐくまれ今日まで守り伝えられてきた人類のたからものである。
・文化財の活用:その人類のたからをこの先何千年先の未来に伝えることは我々の責務であり、文化財の活用に関する新たな方法や機会の開発、情報基盤を整備しなくてはいけない。
・活用方法:素材や構造がぜい弱な日本の文化財を活用するため、先端的な技術によるレプリカやVR、AR、8Kなどのコンテンツを開発する。デジタルアーカイブの充実などを進める。また、国立博物館の収蔵品の貸与を促進する。国内外の展示施設からの保存環境に関する相談を受ける。

このような考え方に基づいて、今の〈ぶんかつ〉の目指すべき姿、推進する4つの取り組みが次第にかたちになっていきます。(ぶんかつのミッション)

      企  画  :文化財に親しむためのコンテンツの開発とモデル事業の推進
      貸与促進  :国立博物館の収蔵品の貸与促進とそれに関わる助言
      保  存  :文化財の保存等に関する相談・助言・支援
      デジタル資源:文化財のデジタル資源化の推進と国内外への情報発信

そして昨年の7月2日、〈ぶんかつ〉は開所式を迎えたのです。

文化財活用センター開所式には、宮田亮平文化庁長官(前列中央)にもご出席いただきました。看板の文字は島谷弘幸・九州国立博物館長(後列左から3番目)の揮ごうによるものです。


4月に準備室ができてからわずか3か月で発足を迎えたので、文字どおり試行錯誤しながらのスタートとなりました。しかし、よちよち歩きだった幼児の足取りがだんだん確かなものになっていくように、〈ぶんかつ〉は少なからずその足跡を残しはじめたように思います。

ここまででだいぶ長くなりましたので、この〈ぶんかつ〉発足までを前編とします。後編では発足を経て9か月、どのような活動をしてきたのか、〈ぶんかつ〉の〈かつ〉と題してご紹介させていただく予定です。

カテゴリ: ぶんかつとは