ColBaseを使いこなそう!上級編
前回の「ColBaseを使いこなそう!初級編」では、ColBaseで目的の作品を見つけるための効率的な検索方法についてご紹介しました。
入門編・初級編をまだ読まれていない方はぜひそちらから読むことをオススメします。
▷「ColBaseを使いこなそう!入門編」はこちら
▷「ColBaseを使いこなそう!初級編」はこちら
最終回の今回は、上級編としてColBaseの少し変わった使い方と隠れた(?)機能をご紹介!
◆展示室で気になる作品を見つけたとき
ぶんかつブログを読んでくださっている方は、ミュージアムにもよく足を運んできてくださっている方が多いのではないでしょうか?
展示室内でお気に入りや気になる作品を見つけたときに、
・もっとじっくり見たい!
・(絵巻物などで)展示されている場面以外も見たい!
・展示中は見えないところ(仏像の足裏etc.)も見たい!
・展示室のキャプション以外の情報ってないのかな?
と思うことがありますよね。
展示室では作品保護の観点やスペースの問題から、至近距離でじっくり見るのはなかなか難しいです。 しかし、ColBaseなら見たかった部分を見ることができるかもしれません。
では、国立博物館4館の実際の展示風景を見てみましょう!!
まずは、京都国立博物館の展示室をうろうろ…。
これは最近話題になった富雄丸山古墳の出土品ですね。
重要文化財 富雄丸山古墳出土品 奈良市富雄丸山古墳出土 京都国立博物館蔵 ※現在は展示されておりません。
この作品、裏面はどうなっているのでしょう?
ColBaseで検索してみましょう!
フリーワードに「富雄丸山古墳」と入力し、詳細検索の《文化財指定》を〈重要文化財〉、《所蔵者》を〈京都国立博物館〉にして検索してみると、いくつか画像があるようです。
作品の裏側も撮影されています。
展示室では見られないところを見ることができました。
▷ColBaseで『富雄丸山古墳出土品』を見る
さて次は、九州国立博物館に行ってみましょう。
くるっと振り返る鹿
展示期間:特別展「はにわ」にて東京国立博物館・九州国立博物館ともに展示予定
東京2024年10月16日(水)~12月8日(日)/九州2025年1月21日(火)~5月11日(日)
なんとも愛くるしい見た目の埴輪。鹿をモチーフにしていると考えられています。
もっと近寄って見たい!…ColBaseで探してみましょう。
フリーワードに題箋(だいせん *作品名称や解説が書かれている紙)に書かれている作品名『鹿形埴輪』を入力して検索してみると…
こちらは東京国立博物館の『鹿形埴輪』(J-20795)
おや?形が違う鹿の埴輪が出てきました。展示室で見た鹿の埴輪はこれではありませんね。
実は博物館では、展示室の題箋に載っている作品名とColBaseに掲載されている作品名が異なる場合があります。
展示室で見た作品名称で検索したけどColBaseで出てこない…、そんなときは初級編で紹介した【フリーワード検索】と【詳細検索】を合わせた二刀流で検索してみましょう。
今回はフリーワードに「鹿 埴輪」、《所蔵館》に〈九州国立博物館〉で検索すると目的の埴輪が表示されました。
以前は「鹿」ではなく「犬」だと考えられていました。
▷ColBaseで『埴輪 鹿』を見る
このように、所蔵館・文化財指定・作品名称の一部(出土地名や模様、形)などで絞り込んでみてください。
さて、次は東京国立博物館と奈良国立博物館の展示室に行ってみましょう。
東京国立博物館と奈良国立博物館の題箋には隅に小さく数字が書かれているのをご存じでしたか?
これは作品を管理するための番号で、ColBaseの《機関管理番号》欄にこれを入れて検索すると、一発で作品が表示されます。
展示場所:東京国立博物館
展示期間:2024年6月25日(火)~12月22日(日)
▷ColBaseで『石人』を見る
東京国立博物館と奈良国立博物館の所蔵品で、この作品だけを調べたい!
そんなときは、この番号で検索してみてください。
展示場所:奈良国立博物館 展示期間:2024年7月2日(火)~
なお、奈良国立博物館の番号は、題箋に書かれている番号の末尾に「-0」をつけて検索してください。書かれている番号をそのまま検索してもヒットしないので、ご注意ください。
この作品の場合は、〈887-0〉で検索!
▷ColBaseで『釈迦如来立像(清凉寺式) 』を見る
足の裏まで見えます。さまざまな方向からじっくり観察できますね。
◆ColBaseに画像がない…そんなときは
さて、ここまで展示室で見た作品をColBaseでも見る方法をご紹介してきましたが、目的の作品をColBaseで検索したら、画像がなかった…。そんなもこともあると思います。
*ColBaseはまだまだ成長中のデータベースのため、全ての作品に対して画像が掲載されているわけではありません(できる限りみなさんに多くの画像を使ってもらえるように、鋭意作業をおこなっています)。
そんなときは、入門編でもご紹介した各館や研究所が独自に作成しているデータベースをチェック。
京都国立博物館・奈良国立博物館・九州国立博物館の3館と東京文化財研究所・奈良文化財研究所が所蔵する作品であれば、ColBase詳細情報ページ左下の【出典URL】項目にリンクがあります。
作品によっては、独自のデータベースに画像がある場合や、ColBaseには載っていない画像が見られる場合もあるので、そちらもチェックしてみてくださいね。
独自のデータベースに掲載されている画像の利用方法については、ColBaseと異なりますので、各データベースの利用規約をご確認ください(お問い合わせも各館へお願いいたします)。
◆隠れた(?)機能、データセット
ColBaseのページ右上に「データセット」というものがあります。
2023年3月から追加された機能で、ColBaseに収録されている所蔵品の詳細情報をまとめているものです。TSVファイル(タブ区切りテキストファイル)でダウンロードすることができ、1作品につき最大30項目の情報が収録されています。
*ジャパンサーチとの連携を目的とした項目も含まれているため、ColBaseの収蔵品詳細情報には表示されていない情報もあります。
データをダウンロードしてExcel等の表計算ソフトでみてみると、ColBaseの【フリーワード検索】や【詳細検索】ではできない絞り込み等をすることができます。さまざまな方法で活用してみてください。
さて、今回のブログではColBaseの少し変わった使い方と隠れた(?)機能をご紹介しました。
「ColBaseを使いこなそう!」シリーズは今回が最終回となりますが、いかがでしたでしょうか。
使いこなせるようになりましたか?
ぜひ、今シリーズで知ったことを活かして、ColBaseを積極的に活用してくださいね!
*館内写真の提供は、各館職員の方々にご協力いただきました。ありがとうございました。
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- 2024年11月28日 (木)