夜の東京国立博物館、「踊る埴輪」特別鑑賞会をレポート!
東京国立博物館で開催されている特別展「はにわ」(通称、はにわ展)。開幕から約半月経ちますが、非常にたくさんの方にご来場いただいており、日々はにわ熱の高まりを感じています。
そんなはにわ展ですが、展覧会開幕の前夜に寄附者向けの特別鑑賞会が開かれました。
今回のブログでは、特別鑑賞会の様子の一部をお伝えしたいと思います。
「埴輪 踊る人々」の特別鑑賞会とは?
はにわ展で展示されている「埴輪 踊る人々」(通称、「踊る埴輪」)は、東京国立博物館と文化財活用センター〈ぶんかつ〉が2022年度に実施した「踊る埴輪&見返り美人 修理プロジェクト」で集まったご寄附によって修理が実現しました。
企業や個人の皆さまからのご支援のおかげで、約90年ぶりに大規模な解体修理が行なわれ、2024年3月に東京国立博物館に戻ってきたばかり。今回のはにわ展が、修理後初の展示となりました。
特別鑑賞会は、上記修理プロジェクトにご寄附いただいた方の中で、返礼品として特別鑑賞会を選択いただいた方(5万円以上のご寄附をいただいた方)を対象に行なわれました。
当日の様子
18時、東京国立博物館の平成館にて、受付が開始されました。
この日は報道向け、関係者向けに開会式・内覧会が開かれており、特別鑑賞会は夜の博物館で開催されました。
当日配布されたプロジェクトの修理報告書です。
18時半、プロジェクト報告会が始まりました。
まずは東京国立博物館長よりご挨拶です。
クラウドファンディングに込めた藤原館長の想いや、ご支援への感謝がご寄附・ご協力をいただいた皆さまに伝えられました。
次に、所総務部長よりプロジェクト報告が行なわれました。
個人の方からのご寄附、企業協賛、ミュージアムグッズのご購入を通した寄附、館内の募金箱への寄附など、さまざまな形でご支援をいただいた結果、寄附総額は目標金額を大幅に上回り15,396,445円となったことをあらためてご報告差し上げました。
「埴輪 踊る人々」「見返り美人図」の修理に関する費用を上回る金額は、東京国立博物館が所蔵する他の文化財の修理費に使わせていただきます。
報告会の最後には、修理作業の様子や担当研究員による「踊る埴輪」の特別インタビュー等で構成される修理報告動画が上映されました。
動画は以下のURLからもご覧いただけます。ご興味がある方はぜひご覧ください。
「踊る埴輪」~ご寄附により、約90年ぶりの解体修理が完了しました~
https://youtu.be/hTCQbDZrIc4
19時過ぎ、いよいよ、はにわ展の会場に移動します。
今回は70名以上の方にご参加いただき、「埴輪 踊る人々」だけでなく特別展「はにわ」全体をご鑑賞いただきました。
修理後の「踊る埴輪」の前では、河野学芸研究部長の解説によるギャラリートークが行なわれ、作品の見どころや修理によって変わった点などをご説明いたしました。
皆さま興味深く耳を傾けておられ、ギャラリートーク後もたくさんのご質問やご感想が寄せられました。
観覧後には、ラウンジに軽食と飲み物が用意され、懇親会も行なわれました。
途中、浅見副館長からも、文化財の修理の重要性に触れながら、あらためて支援について感謝を申し上げ、和やかな雰囲気で懇親会は終了しました。
寄附者の皆さまから直接お話をお伺いする貴重な機会をいただいたことを、職員一同大変ありがたく思っております。これからもこういった場を作って参りたいと思いますので、ぜひ今後のプロジェクトにもご参加いただけましたら幸いです。
あらためまして、本プロジェクトにご寄附をいただいたみなさま、誠にありがとうございました。
「踊る埴輪」については、修理後初展示をもって一区切りとなりますが、「見返り美人図」の修理状況については引き続き東京国立博物館のウェブサイトにてお知らせしてまいります。
▷「見返り美人図」の修理状況を見る(東京国立博物館ウェブサイトへ)
東京国立博物館をはじめ国立文化財機構の各施設は、文化財の修理や購入、調査研究、教育普及事業、災害対応など、社会の変化に応じて事業をさらに充実させていかなければなりません。
1000年、2000年先の未来に文化財を伝えていくためには、皆さまからのご寄附が必要です。
今後ともご支援のほどよろしくお願いします。
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- 2024年10月31日 (木)