ファッションとしてのきものを楽しむ!江戸きものLOOKBOOK
みなさん「きもの」には、どのようなイメージがあるでしょうか?
七五三、卒業式、成人式、結婚式……など、節目のイベントでお召しになる方が多いかと思います。海外からの旅行者が多くいらっしゃる浅草や京都などでは、街中でレンタルできるお店も増えていますね。
ですが江戸時代にさかのぼると、きものは人びとが毎日簡単に着ていたカジュアルウェアでした。走ったり、食べたり、洗濯をしたり…江戸時代の人びとは一日中きもの姿で過ごしていたはずです。
今日は何を着ようか、今の私たちと同じ感覚で悩んでいたことでしょう。
現代では、毎日着るものをお店ですぐ買うことができますが、江戸時代、きものは呉服商で注文して、仕立ててもらうものでした。「注文」といっても、きものはどのように注文されていたのでしょうか?そして、私たちも江戸時代のきものを注文して、着用することができたら……?
「江戸きものLOOKBOOK」はそんなわくわくする想像を、デジタル技術をつかって実現する体験型展示です。
展示室で衣桁(いこう)にかけられた様子から、実際の着用姿まで想像するのが難しい文化財のきもの。とくに、昔のきものは丈をあわせるために腰部分で折り上げる「おはしょり」を作らないなど、今とは違う着方をしていました。現代の人には遠い存在となっている文化財のきものに、ファッションのひとつとして親しんでほしい、楽しんでほしい……そんな思いでこの展示を企画しました。
江戸きものLOOKBOOK 会場 左:雛形本コーナー、右:試着コーナー
展示の見どころを、体験の流れとともにご紹介します!
まずは STEP1。会場に置かれたLOOKBOOKで江戸のトレンドをチェック!
会場内では、江戸時代に、さまざまなきものの模様を掲載して発行されたデザインブックである「雛形本(ひながたぼん)」をイメージしたLOOKBOOKをご覧いただけます。江戸時代の人々は雛形本を見ながら、呉服商にきものを注文しました。今のきものとは異なる大胆な模様など、江戸時代の流行をチェックしてみてください。
雛形本の一例 寛文7年(1667)刊『新撰御ひいなかた』
実際に製作されたきものの例 濃茶麻地菊棕櫚文様帷子 江戸時代・17世紀 京都国立博物館所蔵 出典:ColBase(https://colbase.nich.go.jp/)
※上記の作品2点は、本展の会期中、東京国立博物館での展示はありません。
次に STEP2。東京国立博物館所蔵のきものを、自分だけの一着にアレンジ!
東京国立博物館所蔵の重要文化財、「小袖 黒綸子地波鴛鴦模様(くろりんずじなみおしどりもよう)」と、「振袖 白縮緬地梅樹衝立鷹模様(しろちりめんじばいじゅついたてたかもよう)」の2種類について、色を変えてバーチャル試着することができます。
どちらかひとつを選び、タブレットできものの地色(メインカラー)、模様の一部の色(ポイントカラー)を変更して、あなただけの一着にカスタマイズしましょう。
STEP2操作の様子
最後に STEP3。フィッティングルームで、ご自身でカスタマイズしたきものをバーチャル試着!
アレンジしたきものを、86インチの4Kモニターに投影!画面の指示に従ってポーズをとって、バーチャルできものを試着しましょう。体験中には、選んだきものの高精細映像とともに、注目ポイントを聞くことができます。最後には、試着した様子をご自身のスマホなどで撮影してみてくださいね。
STEP3バーチャル試着の様子
ファッションとして楽しむ「きもの」。あなただけの江戸きものをお召しになってみてくださいね。
SNSでの投稿もお待ちしています!
ハッシュタグは→ 「#江戸きものLOOKBOOK」「#EdoKimonoYourWay」
※本展でデジタル試着できるきもの2点の実物は、この秋、東京国立博物館で展示されます。
・小袖 黒綸子地波鴛鴦模様 2024年10月22日 ~ 12月22日 本館10室
・振袖 白縮緬地梅樹衝立鷹模様 2024年10月29日 ~ 12月8日 本館特別1室
7月28日「トーハクキッズデー」にあわせて、「江戸きものファッションツアー」と題した子どものためのギャラリートークを開催したので、こちらもすこしご紹介。
本館10室のきものや浮世絵を見て、江戸時代の人びとがどんなおしゃれをしていたのか、どのような流行があったのかを一緒に見て回りました。
きものの模様や今と昔の着方の違いなど、子どもたちも気づいたこと、思ったことをたくさんお話してくれました。最後には雛形本と「江戸きものLOOKBOOK」の会場へ、ツアー後には多くの子どもたちがバーチャル試着を体験してくれました!
キッズデーの様子
江戸きものLOOKBOOK
会場:東京国立博物館 本館特別3室
開館時間:9:30~17:00、金・土曜日は19:00まで(入館は閉館の30分前まで)
休館日:月曜日(ただし月曜日が祝日または休日の場合は開館し、翌平日に休館)
観覧料金:総合文化展観覧料(一般1,000円、大学生500円)もしくは開催中の特別展観覧料[観覧当日に限る]でご覧いただけます。
詳細はトーハクウェブサイト[https://www.tnm.jp/]をご確認ください
――――――――――― ⚠ 以下、ネタバレ注意 ⚠ ――――――――――――――
ここから先は、実際のバーチャル試着の画像があります。
会場へ行くまで楽しみをとっておきたい人は体験後に読んでくださいね。
こんな風にきものを試着できます!
みなさんがカスタマイズしたきものも、ぜひSNSで教えてくださいね。
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- 2024年08月08日 (木)