ぶんかつブログ

なりきり美術館、こんどは横浜!

3月15日から、NHK横浜放送局で「びじゅチューン!×横浜トリエンナーレ なりきり美術館」がはじまりました。

▷びじゅチューン!×横浜トリエンナーレ なりきり美術館の概要を見る

「なりきり美術館」は、アーティストの井上涼さんが世界の“びじゅつ”を取り上げ、たのしい歌とアニメで紹介するNHK Eテレの番組『びじゅチューン!』とコラボした体験型の展覧会です。

2018年に東京国立博物館で開催されてから、九州国立博物館、富山県美術館、千葉市美術館、大分県立美術館、山口情報芸術センターなどで公開されてきた「なりきり美術館」が、この春、横浜にやってきました!

今回の「なりきり美術館」は、同じく3月15日からはじまった現代アートの国際展・横浜トリエンナーレの関連イベントとして開催されています。4つのコンテンツが楽しめる展示の様子を、ちょっとのぞいてみましょう。


なりきり美術館会場。入り口からすでに楽しそう!

1. 雨は愛すがどう描く?
NHK横浜放送局のある建物に入ると、さっそく目に入るのがこちらのコーナー。ざあざあ降りの雨の景色を描いた浮世絵「名所江戸百景・大はしあたけの夕立」がテーマです。その雨の線をあえて消した台紙を前に、どんな雨をふらせるか、作者になりきって考えてみます。雨の線のスタンプを押して「ざぁーーーーーっっっ」、「さぁさぁ」、「ぽつぽつ」、自分の好きな雨をふらせましょう。浮世絵が出来上がるまでの重ね摺りのプロセスがよく分かる摺り工程も展示されています。


スタンプでどんな雨をふらせようかな?


右から順に、全部で18の版を重ねて摺るんです。

2. 顔パフォーマー麗子
奥に進むと、岸田劉生が愛娘を描いた「麗子微笑」のコーナーです。デジタル顔ハメで麗子になりきり、描かれた少女の気持ちを想像してセリフにしてみましょう。思いのほか名画になじんだ自分の顔に驚かれるかもしれません。なりきり美術館ではおなじみの人気コンテンツです。


それぞれ個性あふれる麗子さん。

3. 体感!ザパーンドプーン北斎
幅7メートルの特大スクリーンに葛飾北斎の「冨嶽三十六景・神奈川沖浪裏」を拡大した映像がうつし出されます。絵のなかの舟に乗る人物になりきってみると、大きな波が大迫力で迫ってきます。さらに、ジャンプの高さで映像の波がどんどん大きくなるインタラクティブな仕掛けも。


渾身のジャンプで大波を出せました!

4. 洛中洛外グルメチェック
岩佐又兵衛筆「洛中洛外図屛風 (舟木本)」はたくさんの人で大賑わい。絵の中の住人になりきって、京の街をあちこち散歩。お重、おまんじゅう、焼き魚、しじみ汁など、モニターに示された京のグルメを複製屛風の中から探すクイズ形式のコンテンツです。屛風に描かれた400年前の京都の街に繰り出して、おいしいものを探してみよう!


2500人が描かれた屛風。

思わず見入ってしまいます。

楽しそうなコンテンツいっぱいの「なりきり美術館」。実は会場のある横浜/神奈川県とも縁が深いのです。たとえば「冨嶽三十六景・神奈川沖浪裏」の題名にある「神奈川沖」は東海道の宿場町「神奈川」(現・神奈川県横浜市神奈川区)の沖合を指すと考えられています。また、「麗子微笑」の作者・岸田劉生は、この作品を描いた時期に神奈川県の鵠沼に居住していました。ますます親近感がわきますね。

なりきり美術館は2024年4月7日(日)まで開催中。この春、横浜トリエンナーレと合わせて、いろいろな“びじゅつ”を楽しみに、ぜひ横浜にいらしてください。


展覧会チラシ

びじゅチューン!×横浜トリエンナーレ なりきり美術館

会期 2024年3月15日(金)~4月7日(日)

会場 NHK横浜放送局 1階(横浜市中区山下町281)

開館時間 10:00~18:00 ※最終入場は終了時刻の30分前まで

休館日 会期中無休

観覧料 入場自由・無料(事前申し込み不要)

主催 NHK横浜放送局、横浜トリエンナーレ組織委員会、文化財活用センター
後援 横浜市教育委員会
協力 東京国立博物館

▷びじゅチューン!×横浜トリエンナーレ なりきり美術館

NHK横浜放送局 なりきり美術館ページ https://pid.nhk.or.jp/event/PPG0364780/index.html

 

カテゴリ: 展示・イベント