第3会場 夢をかなえる8K 東洋館/エントランス

協賛:シャープ株式会社

もしも、鎌倉時代を代表する仏像の細部の表現を、光を照らしてじっくりと調査できたら。名だたる茶人が手にした名碗「大井戸茶碗 有楽井戸」を手に取り、さまざまな角度から眺めることができたら。展示室では不可能な夢の鑑賞体験を、8Kの高精細画像を用いたオリジナルのアプリケーションと操作デバイスでかなえます。

*混雑緩和のため、第3会場では整理番号システムを導入しています。混雑状況により、開館中に整理番号の発行を終了することがあります。

 

展示のみどころ

8Kで文化財 ふれる・まわせる名茶碗

かたちも重さも実物の文化財そっくりに制作した茶碗型ハンズオンコントローラーを動かせば、8Kモニター上の高精細画像を360度好きな角度から鑑賞できます。6つの名碗から好きなものを選んで、さわって、まわして。

※本コンテンツは、文化庁「令和3年度 地域ゆかりの文化資産地方展開促進事業(先端技術を活用した文化資産コンテンツ制作プロジェクト)」により制作したものです。(制作協力:九州国立博物館・愛知県陶磁美術館)

会場風景

8Kで文化財 みほとけ調査

120インチの大迫力モニターで仏像の調査に挑戦。懐中電灯型の操作デバイスで仏像を照らすと、普段は見ることのできない細部の表情が浮かび上がります。学芸員が作品を調査するように、仏像の見どころを探ってみましょう。

会場風景

テーマとなる日本美術

 

  • 重要美術品「大井戸茶碗 有楽井戸」

    朝鮮時代・16世紀

    高麗茶碗の雄、大井戸の名碗として知られる有楽井戸。枇杷色の釉、裾に生じた梅花皮、竹節状の高台といった井戸特有の表情を見せつつ、穏やかで気品すら感じさせる点がこの茶碗の魅力です。織田有楽斎の後、様々な手を経て、関西を代表する茶人藤田香雪が所持しました。

  • 重要文化財「青磁輪花茶碗 銘 馬蝗絆」

    南宋時代・13世紀

    伝承では、かつてこの茶碗を足利義政が所持していたおり、ひび割れが生じ、中国に送ってこれに代わるものを求めたところ、明時代の中国にはもはやそのようなものはなく、鎹(かすがい)で止めて送り返されてきたそうです。この鎹を蝗(いなご)に見立てて「馬蝗絆(ばこうはん)」と名づけられました。

  • 「志野茶碗 銘 振袖」

    安土桃山~江戸時代・16~17世紀

    美濃(岐阜県)では、16世紀末になると、白い長石釉を施した志野を作り出し、さらに釉薬の下に鉄絵具で文様を描き、日本初の下絵付けがなされました。白肌を透かして薄の文様がうっすらとみえており、志野の魅力がよくあらわれた茶碗です。

  • 「黒楽茶碗 銘 尼寺」

    長次郎/安土桃山時代・16世紀

    侘茶を大成させた千利休は、彼の思想に基づく茶碗を陶工長次郎に作らせました。轆轤(ろくろ)で作られたそれまでの茶碗と異なり、手捏ねで成形され、緩やかに凹凸のある茶碗は、手に自然におさまる造形に特色があります。

  • 「黄瀬戸胴紐茶碗」

    安土桃山時代・16世紀/愛知県陶磁美術館

    16世紀から17世紀にかけて、美濃、現在の岐阜県で焼かれた黄色いやきもの。やきものの名産地である瀬戸の製品と考えられていたため、「黄瀬戸」の愛称で呼ばれました。この茶碗は、もとは懐石料理のための食器、向付(むこうづけ)としてつくられたものです。

  • 重要文化財「油滴天目」

    南宋時代・12~13世紀/九州国立博物館

    南宋時代(12〜13世紀)に、中国南部の窯(建窯)で作られた天目茶碗です。高温の窯の中できわめて稀に化学変化をおこし、器の表面にあたかも油滴が飛び散ったような模様を作り出すので、その名がつきました。漆黒の底部から徐々に青みを帯びて縁にいたる色の変化が絶妙で、これほど美しい油滴天目茶碗は大変貴重です。

  • 重要文化財「菩薩立像」

    鎌倉時代・13世紀

    正確な名称は知られませんが、類品から弥勒菩薩と考えられます。この像は目や唇に水晶を嵌めることで、生々しさを醸しているのが特色です。肌に金粉を膠(にかわ)で溶いた金泥(きんでい)を施すのも含めて、未来に到来する仏に現実感を与える工夫といえます。特徴的な切れ長の目は善円の作風に近いです。

  • 重要文化財「十一面観音菩薩立像」

    唐時代・7世紀

    稀少材である白檀(びゃくだん)という香木を用い、着衣や装身具にいたるまで全身を一材から彫出す、檀像(だんぞう)を代表する優品です。緻密な彫刻とインド風の顔立ちに特色があり、中国から請来されたとみられますが、日本における檀像表現の手本ともなりました。明治まで奈良県多武峯(とうのみね)の談山神社(たんざんじんじゃ)に伝来しました。

  • 「菩薩立像」

    クシャーン朝・2世紀

    菩薩像は如来像と異なり、豪華な装身具を身につけた王族の姿で表わされました。釈尊が出家する前は王子だったことによります。この像は、持物がわかりませんが、ほかの菩薩像が着けるターバン冠飾がなく、頭髪を束ねていることから、弥勒菩薩である可能性が高いといえます。

関連イベント

ぶつぞう調査隊

日時
2022年10月23日(日)・11月27日(日)
10:00/11:30/13:30/15:00開始(各回約20分)
募集方法
当日現地に集合(事前申し込み不要、各回20名程度)
集合場所
本館エントランス

博物館のプロは、仏像をどんなふうに見ているのでしょう?展示室でお話を聞きながら、みんなで好きなところ、おもしろいところを探せば、きっと仏像を見るのが楽しくなります!(小学校低学年のお子さんが楽しめる内容でお話しします)

コミュニケーションロボット「ロボホン」と「未来の博物館」を楽しもう!

期間
2022年10月18日(火)~12月11日(日)
対象
ロボホンオーナー

「未来の博物館」とシャープのロボホンがコラボ!期間中にご自身のロボホンと一緒に会場を訪れ、「ここはどこ?」と話しかけると、トーハクの歴史や、「未来の博物館」についてお話ししてくれます。同時に、本展限定の特別な写真もダウンロードできます。ぜひご自身のロボホンと一緒に訪れ、写真の場所を探してみてくださいね!

 

 

ワークシート

調書に挑戦!

場所
東洋館エントランス「夢をかなえる8K」会場内で配布(このウェブサイトからもダウンロードできます)

ワークシートを手に、8Kで文化財「みほとけ調査」に登場する仏像のホンモノを展示室で見てみましょう。注目ポイントを書き込んでいくと、あなただけの「調書」が完成します。