第1会場 時空をこえる8K 本館/特別5室

主催:NHK

遠く離れた法隆寺・夢殿の空間や、国宝「洛中洛外図屏風(舟木本)」に描かれた400年前の京の都の賑わいを、大画面に映し出された映像を通して、その場にいるように味わう。そんな、時空をこえて文化財と出会う鑑賞体験を、最新の8K映像技術や3DCG技術を用いた「8K文化財」でかなえます。

展示のみどころ

空間をこえた出会い―法隆寺 謎に満ちた金色の秘仏

東京からおよそ400キロ離れた奈良・法隆寺。聖徳太子を追慕して建てられた夢殿には、僧侶以外は全貌を見る機会がない金色の秘仏・救世観音(くせかんのん)がまつられています。8Kの3DCG技術により大画面に映し出される美しい秘仏に近づき、知られざる謎を読み解いてみましょう。

会場イメージ図(8K文化財 国宝「救世観音像」法隆寺)

時間をこえた出会い―洛中洛外 400年前の京都へ

国宝「洛中洛外図屏風(舟木本)」は、今から400年前の京都を描いた大パノラマ図。老若男女が遊び、暮らす屏風の世界に入り込み、ナビゲーターが読み解く「食と享楽」「美と芸能」「歴史と文化」に注目しながら、江戸時代の京の町を散策してみましょう。

会場イメージ図(8K文化財 国宝「洛中洛外図屏風(舟木本)」東京国立博物館)

デジタル ハンズオン・ギャラリー

文化財を巨大化させたり、回転させたり、色を変えたり、光に照らしたり。
「8K文化財」は、作品をまさに手に取ったときのように、間近でじっくり眺めて楽しめる新時代の文化財体験ツールです。これまで気づかなかった文化財の魅力に注目してみましょう。

会場イメージ図

テーマとなる日本美術

第1会場 本館特別5室

  • 国宝「観音菩薩立像(救世観音)」

    飛鳥時代・7世紀/奈良 法隆寺

    聖徳太子の宮殿である斑鳩宮跡に建てられた夢殿の本尊。太子等身の像と伝えられ、平安時代以来、厳格な秘仏として扱われてきました。左右対称の姿は中国南北朝時代(6世紀)の美術様式に連なるもので、日本仏教黎明期の造形を完全な形で伝えています。像本体はクスノキの一材から彫出され、全身には白土地に金箔が押されています。精緻に彫刻された宝珠形光背や豪華な透かし彫りの宝冠など、他に類をみない飛鳥彫刻の傑作です。

  • 国宝「洛中洛外図屏風(舟木本)」

    岩佐又兵衛筆/江戸時代・17世紀

    京都の市中と郊外を描いた屏風です。多くの洛中洛外図は、街の東半分を西から見たものと西半分を東から見たもので一組となっていますが、ここでは京都の中心部だけを南から見て描いています。滋賀の舟木家に伝来し、舟木本の名で親しまれています。

  • 重要文化財「遮光器土偶」

    青森県つがる市木造亀ヶ岡出土/縄文時代(晩期)・前1000~前400年

    日本で最も有名な土偶の一つ、教科書でもおなじみの遮光器土偶です。極端に大きな目の表現が遮光器(スノーゴーグル)に似ていたことから遮光器土偶と呼ばれています。デフォルメされた体の表現とともに、全身に覆うように施された文様が見どころの土偶です。

  • 重要文化財「樫鳥糸肩赤威胴丸」

    室町時代・15世紀

    胴体をぐるりと囲い、右側で端を引き合わせる構造の甲冑を胴丸といいます。本体は黒漆を塗った小さな板(小札)と、紺色と紅色の糸を組み合わせた組紐で構成されています。兜と大袖も備えており、胴丸の代表的な名品として知られています。陸奥の三春藩主秋田家に伝来しました。

  • 重要文化財「能面 小面」

    〈天下一河内〉焼印・金春家伝来/江戸時代・17世紀

    小面は、数ある女面の中でも最も若く、10代の女性を演じるときに使用される面です。現在金剛宗家に伝わり、かつては豊臣秀吉が大切にしたという「雪の小面」を写したものですが、この小面のほうが優しい顔立ちをしています。江戸時代の名手である河内の作。