| 会期 | 2025年3月7日(金) ~ 2026年3月31日(火) |
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| 会場 | 東京国際クルーズターミナル |
| 主催 | 文化財活用センター・日本空港ビルデング株式会社 |
| お問い合わせ | 03-5834-2856(文化財活用センター) |
日本を訪れる海外の方々や国内の皆さまにより広く文化財に親しんでいただけるよう、東京国立博物館が所蔵する国宝・重要文化財の高精細複製品をガラスケースなしで、東京国際クルーズターミナルで展示いたします。通常は限られた期間と場所でしか見ることのできない文化財ですが、高精細複製品では近くによってじっくりとご覧いただくことが可能です。
日本美術のつばさ×東京国際クルーズターミナルの展示のテーマは「日本の文化」。みなさまに東京国際クルーズターミナルでご覧いただく高精細複製品は、季節にあわせて展示替えを行ないます。今回は高精細複製品「松林図屛風」を 3階ロビーに展示します。四季折々の日本の文化をお楽しみください。
展示される高精細複製品と展示期間
| 展示場所 | 3階ロビー |
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| 展示期間 | 2025年12月2日(火)~ 2026年2月下旬(予定) |
白い和紙の上に墨の濃淡だけで、風と光の情景が描き出されています。松を描く筆は、穂先をいくつも重ねたもの、竹の先を細かく砕いたもの、あるいは藁を束ねたものを使ったと考えられており、明らかではありません。繊細でありながら迷いなく筆を進め、一気に線を引いていることが見てとれます。四つほどの大きなグループに描かれた松林は、木々の間を風が通り抜けるように配置されています。そして、墨のグラデーションによって光の強弱をあらわして、霧に包まれた松林を生み出しているのです。 さまざまな工夫と技法によってあらわされたこの松林には、霧の晴れ間から柔らかな光が差し込んで、遠く雪山がのぞき、冷たく湿った空気が漂います。艶やかな墨の色と相まって、風の流れや森の清清しい香りまで実感できるでしょう。

原本/国宝 長谷川等伯筆 安土桃山時代・16世紀 東京国立博物館蔵
展示する高精細複製品について
展示する高精細複製品は、〈ぶんかつ〉とキヤノン株式会社による共同研究プロジェクト「高精細複製品を用いた日本の文化財活用のための共同研究」の一環で制作・活用した作品と、「綴プロジェクト」から独立行政法人国立文化財機構に寄贈された作品を使用しています。
共同研究プロジェクトは、より多くの人に文化財に親しむ機会とより深い文化体験を提供することを目的に、2018年10月から継続して実施し、これまで15件の高精細複製品を制作しました。ガラスケースに入れずに間近で細部まで鑑賞できる展示や、教育機関向けのアウトリーチプログラム、映像と組み合わせた体験型展示など、オリジナルの文化財ではかなわない鑑賞体験を実現しています。高精細複製品の制作には、キヤノンと特定非営利活動法人 京都文化協会が進める「綴プロジェクト」の技術を活用しています。キヤノンの入力、画像処理、出力に至る先進のデジタル技術と、京都伝統工芸の匠(たくみ)の技との融合により、作品の大きさだけではなく、絵師の筆遣い、岩絵具の鮮やかな色、金箔や金具に至るまで、オリジナルの文化財を限りなく忠実に再現しています。
「綴プロジェクト」は、オリジナル文化財の保存と高精細複製品の活用を目的として、京都文化協会が主催し、キヤノンが共催して推進している社会貢献活動です。キヤノンの入力、画像処理、出力に至る先進のデジタル技術と、京都伝統工芸の匠(たくみ)の技との融合により、屏風や襖絵、絵巻物など古くから日本 に伝わる貴重な文化財の高精細な複製品を制作して寄贈しています。2007年からスタートした本プロジェクトは、海外に渡る以前の所有者などに寄贈する「海外に渡った日本の文化財」と、小・中学校の教科書に掲載の多い文化財などを対象に、教育現場で生きた教材として活用する「歴史をひもとく文化財」の2つのテーマのもと、毎年文化財を選定しています。
*原本は常設展示されていません。詳細は東京国立博物館ウェブサイト[https://www.tnm.jp/]をご確認ください。