教育プログラム

【教員研修】青森県総合学校教育センター

ぶんかつアウトリーチプログラム
場所: 青森県総合学校教育センター
参加者数: 9名(研修参加教員)+9名(青森県立美術館教育普及担当・鑑賞サポーター)+1名(青森県指導主事)
期間: 2023年10月23日(月) ~ 2023年10月24日(火)

2020年・2021年・2022年に続き、本年度も青森県総合学校教育センターが実施する県内の先生方へ向けた講座の中でプログラムをご利用いただきました。この講座は「講義や演習を通して、見方や感じ方を広げたり深めたりする鑑賞の学習への理解を深め、鑑賞の授業の改善と充実につなげることを目指す」ことを目的として開催されたものです。
講座1日目の図画工作・美術の講座の午後を文化財活用センターが担当し、「平家物語 一の谷・屋島合戦図屛風」および「冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏」と摺り工程見本を使用し、約3時間かけてプログラムを含めた研修を実施しました。鑑賞の授業での気を付けるポイントや言葉の選び方、作り方、授業案の構造などの公開を含めて演習を行ないました。講師は小島有紀子・飯田茂雄(文化財活用センター企画担当)が務めました。
2日目は音楽の鑑賞授業に屏風を活用いただきました。屏風を見ながら講師の方が選んだ合計4曲を鑑賞し、どの曲が一番合うと思うかを参加者が選びます。音楽によって絵の見え方が変わり、平家物語の描かれている「敦盛の最期」の謡曲も候補内にありました。

平家物語の屏風は美術のみならず、国語、日本史、音楽などの教科を横断できるプログラムであることも確認することができました。

 

*青森県は棟方志功の出身地で、図画工作では15時間ほどかけて版木を掘るなど版画が大変身近であることもあり、神奈川沖浪裏の鑑賞を試験的に行いました。神奈川沖浪裏の版画セットは東京国立博物館教育普及室が開発したものを使用し、プログラム展開が可能かどうかについて今後検証を行う予定です。

 


研修の様子①平家物語 一の谷・屋島合戦図屛風を使用して、文化財の鑑賞の方法についてお話します。

研修の様子②講義を挟んだ後、神奈川沖浪裏の摺り工程見本を使用して、身近な技法で作られたものを鑑賞する方法論についてお話します。

研修の様子③細部を見ることと同時に、技術を体験してもらうために版画セットを体験します。

※神奈川沖浪裏版画セットの刷り上がり見本(東京国立博物館教育普及室制作キット)