ぶんかつアウトリーチプログラム
場所: 八潮市立八條図書館
参加者数: 9名
期間: 2025年11月9日(日) ~ 2025年11月9日(日)

 ご担当者より、りらーと八條図書館まつりにおける、10月に開催された源氏物語に関する講座の関連イベントとしてご希望があり、プログラムを実施しました。ご希望に基づき、知る・学ぶことが楽しいこと、図書館での学びへとつなげられるよう、2つの作品に関する背景もお話しながら鑑賞しました。講師は沼沢ゆかり、サポートを小島有紀子、飯田茂雄、山本千尋(文化財活用センター企画担当)が務めました。

最初は「焔」の鑑賞から始め、作品の表現や描写からどのような印象を受けたか、感じたことを出し合いました。女性的な美しさに関する指摘から、目線の先には思い人がいそうという意見もだされました。近くでじっくりと見た後には、誰かに恨みを抱いていそうという考えが出されたほか、源氏物語に登場する六条御息所であることに気づく参加者も。次に、「焔」へとつながる物語として「車争図屛風」にうつり、あてる照明を変えながら、近くで作品を鑑賞しました。一見しただけで、車争いの様子を表わしていることに気づく方もいらっしゃいました。源氏物語の展開と合わせ屛風を鑑賞しつつ、2つの作品が制作された時代や背景が異なることを解説しました。「車争図屛風」が本来は御殿の襖絵であったこと、政治的関係性を考慮して制作された可能性が高いことをお話しすると、プログラム終了後、再度「車争図屛風」を鑑賞していた方もいらっしゃいました。どの参加者も活発にご発言いただき、両作品を隅々まで味わうことができました。

 


プログラムの様子① まずは「焔」を鑑賞。描写から抱いた印象を出し合いました。

プログラムの様子② 近くで見ることで、きものに表わされたモチーフに気づく参加者も。

プログラムの様子③ 照明も変えながら「車争図屛風」をじっくりと鑑賞。

プログラムの様子④ 源氏物語の内容と照らし合わせつつ、2つの作品で、制作年代や背景が異なることをお話しました。